
この記事をまとめると
■自動車メーカーの共同開発の意義と事例を解説
■開発リソース共有とコスト分散を実現しメガサプライヤーも重要な存在に
■SDV・自動運転時代にスケールメリットを生むため業界の標準となるだろう
激動の自動車業界を生き抜くための一手
「これからは自動車メーカーが単独で生き残るのは難しい」と指摘されるようになって久しい。欧米の複数ブランドがひとつにまとまったステランティスは、そうした規模を求めるメーカーの動きを示す象徴であろうし、日本でもホンダと日産が合流を模索したことも記憶に新しい。合併や資本提携については、常にどこかでうごめいているというのが、現在の自動車業界といえる。
「共同開発」といったカタチでつながる企業も多い。
馴染みあるところでは、トヨタGR86とスバルBRZが共同開発の典型例といえる。スバルのコアテクノロジーである水平対向エンジンを使うことで、現在の安全基準を満たしながら、ボンネットの低いFRスポーツクーペを実現した。
また、トヨタはBMWと共同開発で2座スポーツカーのGRスープラを生み出している。同プロジェクトによって生まれたBMWのモデルはオープン2シーターのZ4。クルマとしてのキャラクターや立ち位置は異なるが、基本アーキテクチャーは共通だ。
このように、共同開発を進めることのメリットは大きくわけてふたつある。
ひとつは開発リソースの確保だ。開発力の源泉となるのはエンジニアリング力といえるが、一人ひとりのエンジニアの能力だけでなく、各社には独自の知見が積み重なっているものだ。そうした開発リソースをもち合い、補完しあうことで、1社では不可能な“いいもの”を作ることができる。
たとえば、86/BRZではスバルの水平対向エンジンにトヨタの燃料噴射技術「D-4S」を合わせることで、自然吸気エンジンの性能を高めたことはよく知られている。
これはエピソードのひとつだが、共同開発によって複数社の知見が合わさることで、これまでにない“いいもの”を生み出せるのは共同開発におけるメリットであり、その成果はユーザーが享受できる満足感につながっている。
