
この記事をまとめると
■2003年にアストンマーティンはDB9をリリースした
■DB9は流麗なスタイリングに5.9リッター456馬力のV12を搭載
■DB9は2016年まで生産されDB11に役目を引き継いだ
フォード時代の最後の「DB」
アメリカのフォード・モーターが1999年に設立した、世界のプレミアム自動車ブランドを統括する部門、プレミアム・オートモーティブ・グループ(PAG)。すでに1991年からフォードに経営権が掌握されていたアストンマーティンが、このPAGに組織されるブランドとなったのは自然な流れだったのだが、2006年になるとフォードは、一転してPAGの解体を決断。そしてアストンマーティンは翌2007年には正式にフォードの手を離れることになる。
時間を20世紀最後の年である2000年にまでさかのぼろう。フォードはこの年、アストンマーティンのCEOにウルリッヒ・ベッツを新たに任命する。それまでポルシェやBMWなどで手腕を奮ってきた彼に、フォードがまず下した使命はモデルラインアップの刷新。それまでの「DB7」シリーズの後継車となる2+2GTの「AM802」、そしてよりコンパクトな2シータースポーツ「AM305」などが、その代表的なプロジェクトだった。
ちなみに前者は2003年に「DB9」として、また後者は2005年に第3世代の「ヴァンテージ」としてデビューを飾ることになる。
これらの新型車開発プロジェクトで、ベッツが最初に直面したのはそのデザインを誰に委ねるかの選択だった。それは、これまでアストンマーティンでチーフデザイナーを務めてきたジェフ・ローソンが1999年に急死したことが直接の理由で、ベッツはジャガー車のデザインも担当していたイアン・カラムに「AM802」、そして「AM305」のスタイリングを担当させることを決める。
ちなみにアストンマーティンでは、2001年には新たなチーフデザイナーとしてヘンリック・フィスカーが就任しているが、いずれのモデルもその基本的なデザインは、インテリアも含めてカラムによって描かれたものと考えられる。
