
この記事をまとめると
■ソニー・ホンダモビリティがAFEELAの2車種の開発・販売中止を発表した
■ホンダの電動化戦略見直しが前提条件を大きく揺るがした
■EV市場の厳しさと事業再構築の必要性が浮き彫りとなった
期待の次世代EVがまさかの頓挫
ソニーグループと本田技研工業の合弁会社であるソニー・ホンダモビリティ(SHM)は3月25日、第1弾モデル「AFEELA 1」および第2弾モデルの開発と発売中止を発表した。ホンダが3月12日に発表した四輪電動化戦略の見直しに伴い、ホンダからの技術やアセット提供など、SHMの事業展開における重要な前提条件に大きな変化があったためだ。ソニー、ホンダ、SHMの3社で事業方針を見直し、今後の方向性については協議・検討を行った上で、早期に公表するとしている。
SHMは2022年9月に設立され、ソニーとホンダの両社の技術や知見、開発力を融合し、高付加価値モビリティの開発・販売およびモビリティ向けサービスの提供を目指して取り組みを進めてきた。2023年1月のCES 2023でブランド「AFEELA」を発表し、2025年1月のCES 2025では第1弾モデル「AFEELA 1」を正式発表。同日より米国カリフォルニア州で予約受付を開始していた。
AFEELA 1は、ソニーのエンタテインメント技術とホンダの車両製造技術を融合したEVとして、その販売が目前となっていた。米国での価格は、ベースモデルの「AFEELA 1 Origin」が8万9900ドル(邦貨換算約1400万円)、上位モデルの「AFEELA 1 Signature」が10万2900ドル(約1600万円)となっていた。予約金は200ドルで全額払い戻し可能とされており、2026年中旬から納車が開始される予定であった。日本市場においても、2027年前半に発売開始とされ、詳細は改めて発表するとされていた。
しかし、ホンダが3月12日に発表した四輪電動化戦略の見直しが、SHMの事業計画に大きな影響を与えることになった。ホンダは米国で生産予定だったEV3車種「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」「Acura RSX」の開発・発売中止を決定。その背景には、米国でのEV需要の鈍化、中国・アジア市場での新興EVメーカーとの競争激化、米国の関税政策変更による内燃機関車・ハイブリッド車の収益悪化といった要因がある。
ホンダは、この電動化戦略の見直しに伴い、2026年3月期連結業績において8200億~1兆1200億円の営業費用を計上する見込みで、来期以降も含めた損失の最大試算額は2兆5000億円に達する。こうした状況を受け、ホンダは今後、EVへのリソース配分を見直し、ハイブリッド車の開発・販売に注力していく方針としていた。
