
この記事をまとめると
■未成年は単独で契約できないためクルマを購入することはできない
■購入や名義登録には親など法定代理人の同意が必要
■条件次第で所有や私有地利用は可能なケースもある
札束では越えられない現実
クルマ好きな美容師さんにカットしてもらっている際、こんな質問をされました。「免許がない中学生とか小学生でも、お金さえあればクルマって買えるんですかね?」ここで筆者はアニメ「巨人の星」に出てきた花形満を思い出し「買えるどころか、野球場に乗って行けるでしょ」などと無責任な返答。令和生まれの美容師さんに昭和のマンガは通用するはずもなく、目をパチクリさせるばかりで冗談が過ぎたようです。が、実際のところ未成年者がクルマを購入・所有するのは可能なのでしょうか。
結論からいえば、どれだけ札束を積み上げようと、中学生や小学生が自分ひとりの意思だけでクルマを買うことはできません。18歳未満は法律上「契約する能力」が制限されており、「法定代理人(両親など)」の同意が必要なのです。つまり、親のハンコがないと売ってもらえないということ。具体的には、普通自動車を自分名義にする際は、「実印」と「印鑑登録証明書」が必要ですが、印鑑登録ができるのは一般的に15歳以上から。すると、15歳未満(中学生以下)の場合は、親が手続きを代行する形になり、結局は親の同意が求められるわけです。
海外では資産家の子息が「コレクション」として親名義や親の同意のもとで高級車を所有するケースもあるとのこと。とはいえ、子どもが自分の判断だけでディーラーに行って現金で買い叩くようなことは、一般常識からも、またコンプライアンスの観点からも販売店が拒否することは想像に難くありません。平たくいうと、鼻水たらしたガキが札束じゃらつかせて「ボクちゃんのフェラーリコレクションにしちゃうのら~」などと現れたら、「寝言は寝ていえクソガキめ!」ではなく「坊ちゃん、よかったら親御さんと一緒にハンコもってきてね」ということ。
あるいは、「車検なしの納車でいいのら~」と鼻水たらした場合(親の同意こそ必要ながらも)、納車は可能。先のコレクションとして収蔵するのはもとより、私有地内であれば運転したって問題ありません。ことサーキットとなると、コースによっては免許が必要とされる場合もありますが、札束ちらつかせる子どもならば「貸し切りなのら~」という手もあるでしょう。これまた、海外では敷地内にサーキットをもつ豪邸などはいくらでもありますから、「裏庭で乗るのら~」もあり得ない話ではないでしょう。
美容師さんは納得顔を浮かべつつ、「でも、自分の子どもがロトかなんかで大金せしめちゃったら、やっぱり札束じゃらつかせて『ポルシェ買うのら~』となんかやりそうっス」などと苦笑い。そんな場面に必要なのは、法令でもコンプライアンスでもなく、強烈な往復ビンタ一択ではないでしょうか。
