
この記事をまとめると
■2025年度の新車販売は約453万台でほぼ前年並みとなった
■物価高や金利上昇により「買い替え控え」が進行中だ
■軽自動車ではスズキが首位もダイハツが急追している
2025事業年度の新車販売台数は?
2026事業年度(2026年4月から2027年3月)がスタートした、とはいっても世界では紛争が多発しており、先行きが見通せないなかでの船出ともいえよう。
そのなか、登録車は自販連(日本自動車販売協会連合会)、軽自動車は全軽自協(全国軽自動車協会連合会)からそれぞれ、2026年3月単月締めでの新車販売台数(登録車は登録台数と表記)が発表された。2026年3月単月締めでの台数が発表となったので、2025事業年度(2025年4月から2026年3月)締めでの年間新車販売台数もまとまったことになる。
自販連統計内での登録車と軽自動車を合算した、2025事業年度締め年間新車販売台数は453万3528台(前年比99.1%)となった。登録乗用車と軽四輪乗用車での合算を筆者が計算すると377万6651台(前年比約98%)となった。“前年並み”、まさにこの表現が的確といえる結果となっている。
2026事業年度がどうなるかを見るには、アメリカとイスラエルのイラン攻撃の行方が大きく影響するのは間違いない。BEV(バッテリー電気自動車)の普及率では20%を超えているタイあたりでは、この攻撃を機に、消費者がBEVへの注目を高めていくことを期待する中国系ブランド関係者の話も聞くことができたが、別の業界関係者はその流れを懐疑的に見ており、いまのところはまさに先が見通せない状況になっている。
一方、BEV普及率が数%となっている日本では、消費者がBEVに注目してもあまりにも選択肢が少ないので大きなうねりになることはないと見ている。となると、「燃費のいいHEV(ハイブリッド車)に乗り換えよう」という動きになるのかといえば、それもあまり期待はできない。諸物価高騰に対し所得向上が追いついていないとはニュースなどでもよく聞くフレーズ。食料など日用品は日々値上がりを続け、これにガソリン代など燃料コストの上昇もイラン攻撃があって止まらない状況となっている。そのような動きは新車でも同じで車両価格の値上げも続いており、「じゃあ新車に乗り換えて……」などと簡単に新車購入できる社会状況にもなっていない。
ディーラーローン利用率が高まるなか金利上昇も目立っており、販売促進を狙った低金利傾向の残価設定ローンでも6%を超えているという話も聞いており、ますます新車が買いにくい状況となってきている。2026事業年度の新車販売台数は、前年並みを維持できるかできないかが焦点となりそうである。
軽自動車で気になるブランド別新車販売台数ではスズキが2位ダイハツに約2.1万台差をつけてナンバー1となっている。2025事業年度が約15万台差をつけてスズキがトップになっているので、認証問題発覚後のダイハツの追い上げが目立っているともいえる。しかし、筆者が定点観測している届け出(あるいは登録)済み未使用中古車専業店では、ダイハツの未使用中古車をかなり見かけることができ、真に復調傾向にあるのかは疑問が残る状況となっている。
軽四輪乗用車に限ってみれば、ダイハツはスズキに約7.7万台差をつけられており、小売り(一般消費者向け)面ではまだまだ認証問題の影響払拭ができていないと見ることもできる。軽四輪貨物では逆にスズキに約5.5万台差をつけてダイハツがトップとなっているが、いまのところダイハツは軽商用車のフリート販売と自社届け出(販売台数上積みなどのため在庫車などにナンバープレートだけディーラー名義などで装着すること)による台数の積み上げが目立っているのが現状となっているといえる。
やり方は別としてもダイハツの追い上げは急速に高まっている。2026事業年度締めではいよいよダイハツがスズキを抜いてブランド別販売トップになりそうだが、一般消費者向けの販売復調スピードが低調ならば、トップ奪還の代償(自社届け出での積み上げが増える)は大きなものとなりそうだ。
