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昔はみんな憧れたのよ! 高性能の証「ツインターボ」っていつから聞かなくなった? (1/2ページ)

昔はみんな憧れたのよ! 高性能の証「ツインターボ」っていつから聞かなくなった?

この記事をまとめると

■1980年代に高性能の象徴としてツインターボが脚光を浴びた

■小径タービン2基でレスポンスと高出力を両立していた

■排ガス規制と市場縮小で姿を消し効率重視へ移行した

国産スポーツエンジン黄金期を象徴するキーワード

 2000年代に入ってから、省エネ・二酸化炭素の排出量低減などの理由により、市販車のエンジンにはひとつの共通した特徴が見られるようになってきた。「ダウンサイジング」だ。エンジンの排気量を小さく抑え、不足するトルクや出力はターボチャージャーの過給効果によって補おう、というダウンサイジングターボの発想である。

 そもそも自動車用のターボチャージャーは、排出ガス対策によって失われたエンジン性能を復活させる手段として、1980年ごろから積極的に着目されてきたデバイスである。シリンダーのなかから排出される燃焼ガス(熱エネルギー)を、ただ大気中に放出(捨てる)するのはいかにももったいない、という発想から生まれたもので、排気タービン(同軸上のコンプレッサー)をまわし、吸入気を加圧してシリンダーに送り込めば、排気量に対してより大きな燃焼エネルギーが得られる、という発想から生まれたものだ。日本車では1979年登場の日産セドリック/グロリア(430型)ターボが、初の採用事例となっている。

 その後、メーカー間の性能競争(メカニズム競争)は熾烈になり、1985年にトヨタ・マークII系(GX70系)にツインカム・ツインターボが登場した時点でピークに達していた。直列6気筒4バルブDOHCにツインターボを装着。「ツインターボ」の言葉の響きは、パワーの極限に挑むような印象を与え、折からの上級志向が追い風となり、クルマ好きのなかでは話題のメカニズムとなっていた。

 GX70系マークIIに搭載された1G-GTEU型エンジンは、1988cc4バルブDOHCの1G-G型エンジンに2基のタービンを装着した仕様で、タービン1基が3気筒を受けもつ設定だった。ツインターボ化の狙いはシンプルかつ明快で、レスポンスに優れた小径タービン2基による過給システムとすることで、タイムラグのより小さな過給特性を実現しながら、高出力/高トルクを得ることに狙いは置かれていた。

 これは開発側、エンジニアリング面での狙いだが、販売側が「ツインターボ」の言葉の響きに着目し、高性能イメージを打ち出すPR戦略を採ったことも見逃せない。当時のトヨタと日産は、まだターボ対DOHC戦争の延長線上にあったからだ。

 面白いのは、その後しばらく間を置いて、日産からR32型GT-R、Z32型フェアレディZのツインターボ仕様が登場した際、積極的にツインターボの表現を採らなかったことだ。とくにZの場合はV6エンジンを使っていたため、排気レイアウトから片バンクに1基のタービンを配置するのは当然で、むしろシングルターボ仕様があったらそのほうが不自然で、複雑な方式となる。あえてツインターボを謳う必然性もなくなっていた。

 このほかに、2基のタービンを使うシーケンシャルターボ方式も実用化されていた。2基のタービンを使うためツインターボといえなくもなかったが、直6、V6が3気筒ずつを2基のタービンで過給するのとは別の方式だった。

 シーケンシャルターボには、タービンの使いかたで直列と並列のふたつの方式があった。いずれも低回転域(排気ガス量が少ない領域)では1基が作動し、高回転時には大径タービンに切り替わる直列方式、高回転時にはもう1基も作動し2基で過給する並列方式という使いかたで、回転全域でのリニアな過給特性(自然な運転感覚)を目指す方式だった。

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