
この記事をまとめると
■元テスラ幹部が英国で新BEVブランド「ロングボウ」を立ち上げた
■スピードスタートロードスターの2モデルをデリバリー予定だ
■「軽さによる速さ」をテーマに「重いEV」という常識を覆すピュアスポーツとなっている
EVだからって重いとは限らない
イギリスの地に、新たなBEVスポーツカーメーカーが誕生した。「ロングボウ(Longbow)」という社名をもつこの新興勢力は、それまでアメリカのテスラやルーシッドで活躍してきたダニエル・デイビー氏を中心に2023年に設立されたメーカーで、彼らはそのブランドコンセプトとして「Celeritas Levitas」、ラテン語で「軽さによる速さ」という言葉を掲げている。
すでに市場には多くのBEVスポーツカーが存在するが、その多くは大容量のバッテリーを搭載するために、その代償として大きな重量を負担しなければならなかったのが実情。ロングボウは新型車開発のプロセスにおいて、軽量性を徹底的に追求することで、これまでのBEVスポーツカーにはない、特別なドライビング体験をカスタマーに提供することを約束する。
ロングボウが2026年中にデリバリーを開始する予定としているのは、「スピードスター」と「ロードスター」というふたつのモデルだ。その基本的なボディデザインは、両車ともに共通するものだが、前者はフロントウインドウすらもたない、きわめてスパルタンなスタイルのオープンモデルとして、また後者はボンネットラインからフロントウインドウ、そして開閉可能な軽量ルーフへと至る、スムースなアッパーラインを特徴とする、より実用的なモデルとしてスタイリングされている。
ロングボウによれば、その車重はスピードスターでは895kg、一方のロードスターでは995kgが実現されることになるというから、この数字を知っただけでも走りへの期待は大きく高まる。
フェザーウエイト・エレクトリック・プラットフォーム(FEP)と呼ばれる、強固でかつ軽量なアルミニウム製のプラットフォームは、もちろんロングボウが独自に開発したものだ。バッテリーはセンタートンネルとフロア後方、そしてリヤサブフレームの手前に効率的にレイアウトされ、重量物を車体の中心線上、そしてまた低い位置に集中させることで、コーナリング性能を始めとする走りの魅力を最大限に引き出す配慮が施されている。現在の段階ではロングボウからはこのバッテリーに関する詳細なデータは発表されていないが、それはパックレベルで2Wh/kg以上の性能を誇る、こちらも超軽量な仕様になるという。
ちなみに満充電からの航続可能距離は約442kmとされる。ハイパフォーマンスな800Vアーキテクチャー、そしてこちらも今後詳細が明らかにされるだろう、リヤに搭載される薄型の軽量設計をもつエレクトリックモーターは、わずかに3.5秒という0-100km/h加速を実現。前後のサスペンションはダブルウイッシュボーン形式で、タイヤはピレリ製のPゼロが採用される予定となっている。
この驚くべき軽量性を誇る、ロングボウの新型BEVスポーツカーのオーダーは、すでにスピードスターから開始されており、そのベースプライスは8万4995ポンド(約1818万円)。続いてオーダーがスタートするロードスターは6万4995ポンド(約1390万円)の設定。そのコスパフォーマンスは十分に高いと考えられるのではないだろうか。ロングボウは、スピードスターは150台を限定生産するとしているが、ロードスターは限定車とはしない計画のようだ。
BEVスポーツカーの世界に、まさに一石を投じる存在となるだろう、ロングボウのファースト・シリーズ。その開発や生産はすべてイギリス国内で行われる。今後の続報を待ちたいところだ。
