
この記事をまとめると
■「トランプ関税」と呼ばれる制度の都合で日本にアメリカ生産の日本車が順次輸入される
■アメリカ生産車を日本に入れるのは輸入車という扱いであり逆輸入車ではない
■逆輸入車は日本で生産されて海外へ送られた車両を再び日本に入れ直すことを指す
輸入車と逆輸入車ってなにが違う?
結局は米国の最高裁判所が違憲と判断したトランプ関税(国際緊急経済権限法に基づく関税措置)に対処するための折衝過程で、米国製の新車を一定台数日本に輸入することが税率緩和策の一案となり、トヨタや日産、ホンダなどから、米国仕様の新車が日本へ輸入される状況になった。これを、逆輸入と報道する例があるが、正確には、海外(米国)で生産された日本車の輸入であり、逆輸入ではない。
では逆輸入とはなにか。
逆輸入とは、海外向けに日本で製造した現地仕様のクルマを、仕向け地から日本へ輸入することをいう。日本で走るクルマと同じ車種であっても、海外の仕向け地では道路の通行方法や、ランプ類などに対する保安基準、あるいは環境性能への対処など、地域にあわせた対応がなされている。象徴的なのは、右側通行に対応した左ハンドルだ。ほかに、日本では販売されていないエンジン形式などもある。
海外の工場で生産した車種で、グローバルカーとして日本向けとしてもち込まれる場合は、単に輸入車ということで、その場合は右ハンドルであるし、ランプ類の仕様なども日本の保安基準に準じる仕様になる。たとえば、ウインカーの色はアンバー(琥珀色=黄色がかった茶色)であることなど。タイや中国、インドで製造された日本車が輸入され、新車販売されている。これを逆輸入とはいわない。
余談だが、米国ではウインカーが赤でも構わない。したがって、米国向けの日本車でことに旧車では現地の所有者が、あえてアンバー色のウインカーに付け替え、「日本仕様と同じにしている」と自慢したことがある。ウインカーの色の違いというだけだが、本国(日本)と同じ仕様であることが、日本の旧車をもつ所有者の誇りになった。
話は戻り、あえて逆輸入車を日本で買う意味はあるだろうか?
一見日本銘柄のクルマであっても、ほかの人と違うクルマに乗りたい気もちを満たしてくれる。たとえば日本車なのに左ハンドルであるとか、日本にないエンジンの種類であるとか。一方、整備など維持管理では、日本メーカーの販売店でも、海外仕様の部品は扱っていないため、逆輸入に慣れた整備工場などでないと、整備も修理も難しくなる可能性がある。また、海外から部品を入手するとなると時間が掛かり、また交換する部品の値段も高くつくことも考えられる。
人とは違うという満足と引き換えに、維持管理に余分の費用が掛かったり、万一の故障などの対応に時間がかかったりしてもかまわないのであれば、逆輸入車を手に入れる意味はあるかもしれない。
