
この記事をまとめると
■かつてWEC直系ロードカーとして「GRスーパースポーツコンセプト」が話題を呼んだ
■EVシフトやレギュレーション変更で環境が激変しGRスーパースポーツも消滅した
■GR GT・GT3へと舵を切ったいまも「GRスーパースポーツ」復活への期待は大きい
鳴り物入りで登場するも時代の流れで話題は消え……
2026年も国内外のモータースポーツが本格始動し、各地で接戦が繰り広げられている。そうしたなかで、幅広い分野で活躍しているのが、トヨタGAZOO Racing (GR)だ。GRの目的は「モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり」にほかならない。「道が人を鍛え、クルマを鍛える」という発想から、国内外のモータースポーツから得た知見や技術を量産車へとフィードバックしている。
たとえば、WRC(世界ラリー選手権)からは「GR YARIS」、さらにGRブランドの最高峰であるGRMNからは「GRMN YARIS」が降臨している。
そうしたGRの方程式によって、WEC(世界耐久選手権)から量産車へと直接的にフィードバックされるといわれたのが、2018年1月の東京オートサロンで公開された「GRスーパースポーツコンセプト」だ。
この際、GAZOO Racing カンパニー・プレジデント(当時)の友山茂樹氏は、「WECで鍛えられたハイブリッド技術を活かした次世代のスーパースポーツカーの開発に着手していた。昨年(2017年)の記者発表で、レースで得た知見と鍛え抜かれた人材で世界に通用するスポーツカーを世に送り出すと発表した。そのひとつの形として、このコンセプトモデルを披露したい」と説明し、GRスーパースポーツコンセプトをアンベールした。
自動車メディアを中心に「WECのロードゴーイングカーがついに量産か!?」と報じてクルマ好きの間で大きな話題となった。
だが、その後は欧州市場での急激なEVシフト、WECでのレギュレーション変更、コロナ禍によるライフスタイルの変化、ESG投資バブル崩壊によるEVシフトの衰え、中国市場での地場メーカーによるEV価格競争の激化、そして日本政府と日本自動車工業会として日本ではマルチパスウェイを貫く姿勢を見せるなど、自動車業界を取り巻く環境は大きく変化した。
そうしたなかで、トヨタとしてはWEC参戦マシンをベースとしたスーパースポーツが、GRにとってどのような位置付けになるのかを精査したのだと思う。
現時点では、昨年にトヨタが発表した「GR GT・GT3」がGRのフラッグシップモデルとして量産化の準備に入った。
トヨタにとってGRは、時代の変化をいち早くキャッチしてフレキシブルに対応する組織でありブランドである。「GRスーパースポーツ」が今後、どのように進化して再び世に出るのか。大いに期待しながらその登場を待ちたい。
