
この記事をまとめると
■プジョーから新しいコンセプトのステアリングが発表された
■四角型のステアリングで「HyperSquare(ハイパースクエア)」と名付けられている
■ステアリング・バイ・ワイヤを搭載し2027年に市販予定としている
常識はずれのステアリング現る
いまやクラブDJの世界はパソコンで演奏するのが主流となっていますが、昔ながらのレコードを使うDJからは「音はやっぱりアナログでしょ」と、マウントをとられがち。すると、パソコン派が「だったら、スマホでなくダイヤルまわすアナログ電話を使ってろ」などと反発。プジョーが2027年から採用するという完全デジタル制御のハンドルを見ると、そんなアナログ対デジタル論争が思い浮かびます。果たして、従来のハンドルは「時代遅れ」になってしまうのでしょうか。
ご覧のとおり、プジョーは「丸いものを四角に」してきました。「HyperSquare(ハイパースクエア)」と名付けられた次世代ステアリングとのことですが、どうにも最新のゲームコントローラー、あるいは宇宙船の操縦桿にしか見えません。クルマが誕生してからこっち、100年以上も「丸い」と相場が決まっていたステアリングですから、違和感マシマシといってもいいでしょう。が、これまたご想像のとおり操作・制御はワイヤ(電線)によるもので、仕組みを聞いてしまえばアクセル・バイ・ワイヤなどと同じく「なるほどね」と腹落ちしてくれるはず。
ハイパースクエアは、ハンドルと前輪が物理的なシャフトで繋がっておらず、電子信号だけでタイヤを動かすわけですが、これによる多数のメリットが生まれています。たとえば、低速域ではギヤ比が極端にクイックになり、交差点を曲がるのも、バックでの駐車も、四角いハンドルの角に指をかけたまま、ほんのわずかな舵角(4分の1回転以下!)で済んでしまうとのこと。ハンドルをもち替えてあっちゃこっちゃ据え切り、なんてシーンとはおさらばということに。
また、四隅に設けられたリング状のくぼみにタッチすることで、エアコンやオーディオなどの車両操作が、ハンドルから手を離さずに直感的に行えるというのもいい感じ。ハンドルから手を離さなくなるわけですから、ドライブへの集中力がより高まるというもの。ちなみに、自動運転時にはダッシュボード内に格納されるといいますから、SF的なルックスへの期待通りといえるのではないでしょうか。
ところで、プジョーといえば「猫足」とも称される路面を滑らかに捉える足まわりに定評がありますが、この心地よいフィーリングはちゃんとステアリングから伝わってくるのでしょうか。つまり、デジタル信号だけで、あの官能的なドライビングプレジャーが再現できるのか、という疑問です。が、そこはプジョーのエンジニアたちだって百戦錬磨。「指1本で操作できる軽快さ」と「高速域でのクラスを感じさせない安定感」を両立させるため、いまも入念なチューニングを続けているのだとか。
このあたりは、ステア・バイ・ワイヤをいち早く導入していたスカイライン(V37)も同様かと。もっとも、フランスは新機軸の打ち出しに加え、技術を煮詰めることにも長けているので、期待を裏切ることはないでしょう。
ハイパースクエアは、ポリゴンというこれまたデジタルチックなコンセプトカーに搭載され、いかにも未来志向なプレゼンテーションがなされています。が、前述のとおり2027年からは一般的なモデルに順次搭載されて販売されることがアナウンスされました。これからのモーターシーンにうまく順応できるかどうか、あるいはご自身がアナログ人間かデジタル推進派なのか、見極めるためにもハイパースクエアからは目が離せそうもありませんね。
