
この記事をまとめると
■F430は360モデナの後継として2004年に登場したV8ミッドシップフェラーリだ
■新開発4.3リッターV8は490馬力を発揮して電子制御デフなどの最新技術も投入
■3ペダルMTが選べた最後のV8フェラーリとして現在も高い人気を誇る
360モデナのビッグマイナーチェンジモデル
フェラーリは、2004年の秋に開催されたパリサロンで、それまでの「360モデナ」後継モデルとなる新型車、「F430」を発表した。ちなみにこのF430は、360モデナのビッグマイナーチェンジ版ともいえるもの。かつてフェラーリは同じ8気筒モデルの「348」を大幅に改良することで「F355」を生み出し、販売面で大きな成功を収めることに成功していたが、360モデナとF430との関係はこのときとまったく同じということになる。
当時のフェラーリがアナウンスしたところによれば、360モデナからF430への進化において、約70%のパーツは新設計されるに至ったというから、当然のことながらF430というニューモデルに、世界のフェラーリファンから向けられた視線は熱かった。
F430のメカニズムでまず大きな話題を呼んだのは、ミッドに搭載されるV型8気筒エンジンだった。360モデナまで使用されてきたそれは、その基本設計をさかのぼるならば1970年代に誕生した「308GT4」用に始祖を見出すことが可能なもの。ここから排気量拡大や4バルブ化、さらには5バルブ化などの進化を続け、最終的には360モデナ用の3586cc・5バルブ仕様において400馬力の最高出力を得るに至っていたのだが、ここからさらなるパフォーマンスを追求することはもはや不可能だった。
そこで考えられたのが、当時フェラーリがマセラティのために供給していたV型8気筒エンジンをベースに、新たなエンジンを開発することだった。このマセラティ用のエンジンには、ボア、ストロークともにまだまだそれを拡大する余裕があったが、フェラーリはストロークのみを延長することで4308ccの排気量を設定。これは360モデナ比で722ccの拡大に相当する数字である。
さらに、クランクシャフトをマセラティ用のクロスプレーンクランクから、フェラーリ伝統のフラットプレーンクランクへ変更。ちなみにエンジンの静的バランスを理想化でき、その結果として振動を低減できる前者に対して、後者は吸排気効率を高めることができるのが最大の特長。ヘッドはDOHC32バルブ(シリンダーあたり4バルブ)とされ、11.3の圧縮比から490馬力の最高出力と465Nmの最大トルクを発揮した。
組み合わせられるミッションには6速MTと6速セミAT(F1マチック)が用意されたが、フェラーリの8気筒モデルで3ペダルのMTが選択できたのは、このF430の世代までだからその存在はいまでは貴重だ。
