
この記事をまとめると
■フェアレディZのなかでも3代目モデルは多くのトレンドを汲んだ1台だった
■シリーズ初のV6エンジンの搭載や空力に特化したボディが特徴だ
■マイナーチェンジのときには外装を大幅に変更するなど大胆な戦略を取り話題となった
フェアレディZの転換期となった傑作
先日、現行型の大幅改良モデルが初公開となったフェアレディZ。現行型は過去のフェアレディZの要素を散りばめたモデルということもあり、メーターのオープニングアニメーションでは歴代Zが次々に登場するという演出も話題となったが、歴代モデルのなかでも当時のトレンドを多く採り入れたのが3代目モデルだった。
1969年に初代のS30型が登場したフェアレディZは、安価な価格設定と十分な動力性能、そして流麗なスタイリングをもつスポーツモデルとして、日本はもちろん海外でも高い評価を得ており、1978年に登場した2代目のS130型も初代のイメージを色濃く残すものとなっていた。
一方、1983年に登場した3代目モデルは、ロングノーズ・ショートデッキというスタイルや、リヤエンドを切り落としたデザインなどは踏襲しながらも、当時流行となっていたリトラクタブルヘッドライトを採用(実際は消灯時もライトの半分が露出するセミリトラクタブルヘッドライトで、パラレルライジングヘッドランプと呼称)する新時代のZを思わせるものに一新されていたのだ。
このヘッドライトは当時注目を集めていた、空気抵抗の少ないエアロボディを意識したものとなっており、実際に空気抵抗係数(Cd値)は0.31と当時のモデルとしては非常に優れた数値となっていた。
先代に設定されて好評だったTバールーフは継続して設定(日本では遅れて登場)されており、6気筒エンジンも踏襲されたが、先代までの直列6気筒ではなく、V型6気筒となったのも特徴(のちに直6モデルも復活)で、3リッターのターボモデルは230馬力という当時としてはトップクラスの出力を備えていたのである。
ここまででも新時代のフェアレディZであることを十分に感じさせるものとなっていたのだが、極めつけは1986年10月に行われたマイナーチェンジであり、なんと直線基調だったそれまでのデザインから、曲面を多用したグラマラスなデザインに一新されていたのだ。
この新たなデザインはフェアレディZの主要輸出国である北米の日産のデザインセンターが手掛けたものとなっており、キャビンや左右ドア以外はすべて異なるパネルとなるという大掛かりな変更がされており、日本仕様は5ナンバーサイズだった全幅も、このタイミングで輸出仕様と同じ3ナンバーのワイドボディに改められている。
このあたりの変更はZ34からRZ34へと進化した現行型を彷彿とさせるものともいえるが、当時は型式の変更などはなされず、あくまでマイナーチェンジとなっていたが、V6エンジンの初搭載なども含め、現在のフェアレディZの流れを作った起点となったモデルといえるかもしれない。
