
この記事をまとめると
■AMGはRクラスをベースに510馬力のV8を搭載した「R63 AMG」を製作
■AMGの自社開発V8と専用4WDシステムでミニバンとは思えない圧倒的な動力性能を実現
■日本ではかなりの超希少車で近年はコレクターズアイテムとして中古相場も上昇中だ
AMG初の自社製エンジンを搭載するミニバン
高速道路の追い越し車線でブイブイ言わせているミニバン、すでに日本の風景として定着したかと。好きなクルマに乗せてもらえないスピード好きなパパさんや、残クレだろうと何だろうとアルヴェル命なドライバーたちは思いのほか大勢いらっしゃるのです。
そんな彼らの開いた口が開いたままになっちゃうのが、AMGの常軌を逸したミニバン「R63」に違いありません。ご存じメルセデス・ベンツのほのぼのファミリーカーに、510馬力の6.3リッターV8をぶちこんだトップ・オブ・ミニバンを振り返ってみましょう。
そもそも2000年代初頭、メルセデス・ベンツはアメリカのファミリー向けにちょっといいミニバン的なモデルを提供しようとRクラスを開発しました。アメリカのド田舎、タスカルーサにある工場で製造していたMクラス(現在のGLE)のプラットフォームを流用するという効率策もとられ、3列シート高級ミニバンが、都合よく安価に作れたのでした。
とはいえ、当のアメリカ人はRクラスのスタイルに違和感を覚えたとのこと。ミニバンなのかワゴンなのか、はたまた流行りのSUVと呼べばいいのか、当のメルセデス・ベンツはこれまた都合よく「クロスオーバー」なんて呼び方をしてましたっけ。
ちなみに、アメリカでの人気は微妙、というかはっきりいって不評だったのですが、中国ではあと追いのそっくりさんが続出するほどの大人気を博したとか。そんな市場での評判を聞きつけたAMGが、「ならば、おもしろRクラス作っちゃえ」と悪ノリしたのか、6.2リッターV8搭載モデル「R63」で9回裏の逆転ホームランを狙ったのでした。
ここで「ああ、おなじみのボアアップエンジンね」と思った方はAMGに怒られます。このM156と名付けられたエンジンはAMG初の自社製エンジンとされており、クローズドデッキ&ベッドプレート採用というF1クラスのハイパフォーマンスユニット。じつはBMWもAMGに2年先駆けて同様のエンジンを製作、M5(2004)に搭載しています。AMGとしてはよほど悔しかったのか「ウチだってできるんじゃ」アピールだったのかもしれません。
