
この記事をまとめると
■アバルトは日本でもお馴染みのフィアットのチューニングブランドだ
■ブラジルではフィアットのSUVをベースにした「アバルト・ファストバック」を展開中だ
■ベースモデルよりもパワーアップしておりブラジル最速SUVといわれている
サソリの毒によるチューニングが施されたSUV
イタリアのアバルトといえば、主にフィアットのクルマをチューニングするワークス部門的立ち位置にいるブランドで、1949年にかの有名なエンジニア兼レーサーのカルロ・アバルトが立ち上げた。たとえるなら、かつてのBMWとアルピナや、メルセデス・ベンツとAMGといった関係性だろうか。
サソリのアイコンでお馴染みで、日本でも最近まで販売されていた、フィアット500をベースとしたアバルト595や695、マツダのロードスターをベースとした124スパイダー、直近では排気音を2年間、時間にして6000時間もかけて作り出したという個性派EV、アバルト500eというモデルも展開している。それ以前にもさまざまなクルマでアバルトの名を冠したモデルが日本には輸入されており、根強いファンも多い。
アバルトは現在、自動車業界における最大の多国籍軍といっても過言ではないステランティスグループに属している。ベースモデルを供給してくれるフィアットがステランティスの傘下にいるので、同じグループに属するのも自然な流れだ。
さて、そんなアバルトであるが、じつは日本未導入モデルのなかに、なんとSUVが存在しているのをご存じだろうか? それが今回紹介する、「アバルト・ファストバック」である。
まずこのクルマ、ベースになっているモデルが我々日本人には謎で、そのスタイリング的に、BMWのX4やルノー・アルカナのようにも見える……が、決してこれらのパクリなのではなく、このクルマのベースとなったのは、ブラジルで生産され、主に南米で展開されているフィアット・ファストバックだ。それをアバルトがチューニングしているので、かつてのフィアット500とアバルト595(695)の関係性と同じ。
よって、エンジンなどはサソリのエンブレムを掲げている以上、それ相応の中身にチューニングされている……と、思いたいが、スペックを見ると意外と大人しめ。事実、エンジンは1.3リッター直4ターボエンジンから185馬力、最大トルクも270Nm、トランスミッションは6速ATと、アバルトの名を冠しているわりには随分と控えめである。
しかしWEBサイトには、「アバルトのDNAを受け継ぐ〜」とか、「同クラス最高峰」とか、なかなか凄そうに書かれているが、実際にはスバル・フォレスターやマツダのCX-30(スカイアクティブX仕様)と同じくらいだ。こう聞くとだいぶ平凡なスペック。駆動方式はFFだ。
ただ、フィアット・ファストバックは1リッターの3気筒エンジンで130馬力程度の出力に、最大トルクも200Nmほどなので、そこからみればスペックはかなり向上していると見てもいいかもしれない。
