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退役路線バスが宿泊施設として復活! 当時のままを維持するマニア垂涎の「いすゞ・ジャーニーK」に寝泊まりできるって夢かよ!!

退役路線バスが宿泊施設として復活! 当時のままを維持するマニア垂涎の「いすゞ・ジャーニーK」に寝泊まりできるって夢かよ!!

この記事をまとめると

■東海バス最後のジャーニーKが宿泊施設として再生した

■運転席や機器は現役当時の姿を保存している

■歴史と宿泊体験を両立した貴重な施設となっている

奇跡の保存車が西伊豆で新たな役目を担う

 バスの車内に宿泊できるとなると、バスのマニアはもちろん、クルマ好きの皆さんも興味津々となるでしょう。伊豆半島を24年間駆け抜けた本物の路線バスと、築70年以上のバス案内所を一体化した貸切ホテル「ばすてい」(静岡県西伊豆町)。じつは、面白ホテルというだけでなく、歴史的価値の高い「奇跡の個体」が保存された聖地でもあるのです。待合室がダイニングだったり、観光案内所が浴場だったり、ユニークなコンセプトも満載です。

 すでに廃線となってしまった東海バスの宇久須駅に鎮座するバスは、1999年式の「いすゞ・ジャーニーK」(型式:KC-LR333J)。車体製造は、当時のいすゞ純正である「アイ・バス」が担当しました。ちなみに、1999年はジャーニーKが平成10年排出ガス規制に伴い、後継モデルの「エルガミオ」へとバトンタッチする生産終了の最終年式にあたります。

 この車両は主に沼津・三島地区の路線を走り、2023年まで現役を務めたとのこと。じつは、東海バスグループに在籍していたいすゞ・ジャーニーKとしては「最後の1台」だった個体です。通常であれば廃車解体される運命だったラストワンが、静態保存を兼ねたホテルとして第2の人生を歩み始めたという事実はちょっとした胸アツストーリーでしょう。

 バスの仕様に目を向けると、さらに面白いディテールが見えてきます。一般的な街の路線バスは、前乗り後ろ降り(またはその逆)のための「2ドア」が基本です。しかし、この車両は前方にしか乗降口がない「トップドア仕様」。これは、長距離路線や狭い山道が多く、運賃精算を運転士が一括で行う「伊豆半島の路線環境」に合わせて導入された中距離路線仕様の名残り。車両の形状そのものが、当時の伊豆の交通事情を今に伝える貴重な資料となっているのです。そのため、宿泊時のバスへの乗降は前扉からではなく、客室用に新設されたサッシ扉から行います。

「なぜ本物のドアを使わないのか」と思われるかもしれませんが、バスの折戸(前扉)は、エンジンのパワーで作る「圧縮空気(エアー)」で動くシステムを採用しています。この車両はエンジンを始動させない静態保存のため、駆動用のエアーが溜まらず、純正のドアを動かすことができません。安易に電動化などの改造を施さないあたり、マニアにはむしろ喜ばれるポイントではないでしょうか。

 なお、運転席は現役時代のまま残されており、小田急グループ特有の運賃箱や、使い込まれたロングタイプのシフトレバー、各種スイッチ類が100%オリジナルの状態が維持されています。さらに、LEDの行先表示器(方向幕)は、運転席のボタンから当時使われていた系統や「回送」などの表示へ自由に切り替えて操作可能。となると、宿泊したマニアは一睡もすることなく「バスドライバーごっこ」に明け暮れてしまうのではないでしょうか(笑)

 前述のとおり、駅舎の待合室がダイニングに改築されたほか、観光案内カウンターはキッチンや浴室、トイレにリフォームされるなど一般的なホテルとしても立派なもの。単なる「映え」を狙ったものではなく、日本の路線バスの歴史を正しく後世に伝える動態保存ならぬ「宿泊保存」。バスの魅力を味わいつつ、ドライブコースとしても最適な西伊豆ステイが楽しめるとなれば、クルマ好きが訪れない選択肢はありませんね。

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