
この記事をまとめると
■フィアット・ムルティプラの現代版となる「ムルティプリーナ・コンセプト」が公開された
■ムルティプリーナは「世界一醜い」といわれた2代目ではなく初代をモチーフとしている
■フィアットの新マイクロモビリティ戦略にも注目が集まる
トポリーノの派生モデルとなる「ムルティプリーナ」を披露
これまで、「世界一醜いクルマ」と称されたクルマはいくつもある。フィアットの2代目ムルティプラもそのうちの1台だろう。
そんな不名誉な称号を与えられながらも、いまでは自動車史に残る名車(迷車?)として評価されているムルティプラが復活するようだ。しかも新しいムルティプラは醜くない。いや、むしろ超かわいい。
フィアットはこのほど、シトロエン・アミの兄弟車として欧州で展開されているマイクロモビリティ「トポリーノ」の派生モデルとして、新時代のムルティプラとなる「ムルティプリーナ・コンセプト」を公開した。
今回お披露目されたムルティプリーナは、ひと目見ただけで「ムルティプラ」を連想させるデザインとなっている。といっても、モチーフとなったのは「世界一醜いクルマ」で知られる2代目ムルティプラではなく、1956年に登場した初代、600ムルティプラのほうだ。
600ムルティプラは、リヤエンジンのフィアット600をベースにキャビンを前方いっぱいまで拡大し、全長約3.5mというコンパクトなボディで最大6人乗りを実現した、世界初のミニバンともいえる存在。もうこれは、現在のコンパクトミニバンやトールワゴンの祖先といってもいい存在だろう。
そんな600ムルティプラを、現代的に再解釈したのが、今回のムルティプリーナ・コンセプトだ。2ドアながら4人乗りとし、大きなガラスエリアと箱型フォルムによって、都市部でも扱いやすいサイズと実用性を両立。丸型のヘッドライトや、どこか笑顔を連想させるフロントバンパー、そして開放的なロールアップ式のキャンバストップなど、トポリーノや現行型500(チンクエチェント)に通じるディテールも散りばめられている。
フィアット自身も、ムルティプリーナを「トポリーノと通常の乗用車をつなぐミッシングリンク」と表現していることから、大いに期待を寄せていることがわかる。
なお、今回のムルティプリーナ・コンセプトの公開にあわせ、フィアットはトポリーノのラインアップを充実させることも明かした。新色「コラッロ」の追加やスポーツ仕様の「トポリーノ・スポーツ」、水着ブランドとコラボした「ヴィルブルカン・コレクターズエディション」、モンスター社とのコラボによって磁気取り付け式Bluetoothスピーカーを装着した「モンスタリーノ」など、新たなバリエーションも続々と投入するという。
さらに、3輪EVの「トリス」においては、イタリアの海辺の優雅さにインスパイアされた「ドルチェヴィータ・コンセプト」も披露。イタリア最古のコーヒーロースター、カフェ・ヴェルニャーノとのコラボレーションで、「トリス」をベースにした街角コーヒースタンドも展開予定だという。
もともとフィアットは、ヌォーバ500(2代目チンクエチェント)などのコンパクトな庶民車を得意としていたブランド。それだけに、今回の新マイクロモビリティ戦略はファンにとっても大歓迎なのではないだろうか。果たして、先祖返りした醜くない「ムルティプリーナ」は世間に受け入れられるのだろうか。その反響に大いに注目したい。
