
この記事をまとめると
■ボルボは2つのフラッグシップEVを日本に導入した
■EX90はボルボのSUVにおけるフラッグシップのEVだ
■ES90は5ドアハッチバックとクロスオーバーを組み合わせたEVとなっている
2つのフラッグシップがやってきた!
世界中の自動車メーカーのなかでもいち早く、日本国内でラインアップされている全モデルの電動化を実現したボルボ。それが実現したのは2020年のことであった。このころは、コロナ禍であったのと同時に、世界中でやれカーボンニュートラルだの電動化だの、EVシフトへの動きが過熱し始めた時期であり、自動車メーカー各社もあとを追うように、電動化戦略を掲げ、自動車業界が新たなステージへ突入したタイミングでもあった。「自動車業界は今、100年に1度の変革期を迎えている」なんていわれ始めたのもこのころだ。
しかし、ここ6年の間で世界における自動車を取り巻く環境は大きく変化した。我々日本人にとって身近なところでは、ホンダが電動化戦略を大幅に見直し、ハイブリッドに注力するとの発表もここ最近あったほど。ボルボも例に漏れず、2024年に「2030年までに完全なEV専業ブランドになる」という目標を撤回し、2030年までに販売台数の90〜100%をEVとプラグインハイブリッド(PHEV)で構成するという計画に路線を変更しているほど。これすらもあと約5年後にどうなるか現段階ではわからず、数年後の自動車業界がどうなっているのか誰にも予想がつかないというのが、自動車業界における現状だろう。
そうはいいながらもボルボは着々とラインアップの電動化を維持、進行している。今回日本初上陸となった2台のフラッグシップモデル「ES90」と「EX90」を見れば、ボルボは何も日和っていないことは明白であった。早速この2モデルを見ていこう。
まずは日本でもっとも需要があるであろうSUVである、EX90から。こちらは、ボルボのフラッグシップSUVであるXC90とほぼ同サイズ、同規格のフラッグシップ電動SUVだ。XC90をベースとしたその進化モデルといった位置付けとなっている。
EX90は800Vテクノロジーをはじめ、106kWhの大容量バッテリーを搭載しており、満充電で650km(WLTCモード)もの航続距離を誇っており、1回の充電で移動できる距離としては必要十分のパフォーマンスを確保している。グレードは3モデル展開されており、それぞれAWDの「EX90 Twin Motor」をベースに「プラス」「ウルトラ」「パフォーマンス」と、装備の違いなどで3種類展開されている。
なおこのEX90は、北欧ブランドであるボルボ自慢のスカンジナビアデザインを採り入れているので、シンプルでありながら上質で、クリーンな空間を構成しているのが特徴だ。採用されている素材も環境に配慮しつつ最先端という、ワガママな構成としている。
居住空間において要となるインフォテインメントシステムは、ボルボではすっかりお馴染みとなったGoogle搭載となる14.5インチのセンターディスプレイを採用。ネットワーク通信を利用することで、スマートフォンを扱う感覚で各種アプリや車内外のあらゆる機能をシームレスに扱うことができる。
ちなみにこのEX90における上位モデルには、名門オーディオブランド、「Bowers & Wilkins」のハイフィデリティ・オーディオシステムが搭載されている。ヘッドレストや天井を含むキャビン全体に、25個のスピーカーが装備されているだけでなく、最先端のオーディオ再生技術、Dolby Atmosによる3Dでの音場再現までも可能だ。ユニークな機能としては、ロンドンの伝説的な録音スタジオであるアビー・ロード・スタジオを冠したサウンドモードを搭載し、クルマに乗りながら最高峰の音楽再生体験を叶える。
さらにこのEX90は、このサイズでは珍しい3列シートSUVというパッケージングで構成されている。しかも、エマージェンシー的な装備ではなく、身長170cm程度の人であればゆとりをもって座れるというのだから心強い。バックドアと3列目乗車の人の距離が近いので、衝突安全性に不安をもつ人も少なくないそうだが、そこはボルボ。世界トップクラスの安全性を担保しているとのことだ。
そのほかにも、車内に子どもを置き去りにしてしまう事故などを防ぐために、荷室に内蔵された60GHzのレーダーセンサーを介して寝ている小さな子どもの呼吸による胸の動きのような、サブミリメートル(1mm未満)までを検知する世界初のシステム、「オキュパント・センシング(乗員検知システム)」を搭載するほか、フロントには1.3メガピクセルのハイディフィニション・ピクセルLEDヘッドライトが備わる。これがまたユニークで、普段はトールハンマーヘッドライトを用いたデイライトとして機能しているが、ヘッドライトとして照射する際は、レンズが上下に分割して開き、ヘッドライトバルブが奥から出現する。まるで往年のリトラクタブルヘッドライトのような機能だ。
ボルボEX90は、1199〜1399万円で展開されるが、この価格はPHEVモデルであるXC90の1392万円より安価な点がポイントだ。このクラスのクルマを検討している人は必見のプレミアムSUVになることは確実だろう。
続いて同時に発表されたプレミアムサルーン、ES90を見ていこう。
