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昭和の少年達が夢見た「未来予想図」はどのぐらい実現した? 空飛ぶクルマから“リアル・ナイトライダー”まで最新技術の答え合わせをしてみた (2/2ページ)

昭和の少年達が夢見た「未来予想図」はどのぐらい実現した? 空飛ぶクルマから“リアル・ナイトライダー”まで最新技術の答え合わせをしてみた

空想科学が技術者を育み一部は実用化目前か

 人類の創造性は無限。しかし個人の想像力というのは意外に貧弱だったりする。そんななか、”誰か”が突拍子もないアイディアを出し、実現に向かって努力することで、テクノロジーは進化してきた。そうしたアイディアを出す”誰か”を、最近では「ビジョナリー」と呼ぶ。テスラを率いるイーロン・マスク氏は、まさしくビジョナリーの代表格だ。

 しかしながら、実業としてのビジョンを提示するリーダーだけが、未来を作ってきたわけではない。小説や映画、アニメや漫画における空想科学の表現が、多くの少年少女の頭のなかに未来のビジョンを提示したのは、間違いない事実だ。

 夢を実現すべく、テクノロジーの道に進んだ人も少なくないだろう。とくに昭和生まれの子どもたちの未来像を育んだのが、小松崎茂氏に代表されるイラストレーターの挿絵が躍る「未来予想図」を掲載した絵本・雑誌だ。

 パーソナルユースの超軽量・短距離ヘリコプターや有人ドローン的なモビリティを”空飛ぶクルマ”と表現してしまうのは、まさに昭和的な未来予想の影響と言える。逆に言えば、空飛ぶクルマというビジョンが共通認識としてあったから、その言葉を使うことで、ステークホルダー(企業やプロジェクトにおいて直接的・間接的に関わるすべての利害関係者)の意思が統一できやすいとも言える。

 かつて空想科学が提示したモビリティの未来はカタチを変えつつ、実現されている面もある。都市に張り巡らされた透明トンネルをクルマが高速で走る……といった未来予想は現実になっていないが、その前提となる自動運転がほぼ実用化に近づいているのはご存知のとおりだ。

 昭和という時代に多感な時期を過ごしたエンジニアの深層心理に、ある種のビジョンを植え付けてきたのが”昭和の空想科学”とも言える。はたして昭和に夢想された未来は、どれほど現実になっているのだろうか。

クルマが空を飛ぶのではなくパーソナルな航空機が構想段階に

 大阪万博でのデモ飛行も記憶に新しい「空飛ぶクルマ」。残念ながら商用運航には至らなかったが、その実現が近いと感じている人も多いだろう。昭和の空想科学では、道路を走っているクルマがそのまま飛行するといったイメージだったり、クルマに羽根をつけて飛行機に変身するといった想定だったりしたが、現在の空飛ぶクルマは趣きが異なる。具体的には、少人数乗車のeVTOL(イーブイトール:電動・垂直離着陸機)の名称として使われているのだ。

 eVTOLの場合、あくまでもパーソナルユースという共通点において「クルマ」という言葉を使っているだけで、公道を走行できる機能を持たせようという発想はなくなっているのが現実だ。そのため「空が飛べれば渋滞を避けることができる」というのは妄想でしかなく、クルマとはまったく異なるパーソナルモビリティの提案と理解すべきだ。また、タクシー的に利用するのであれば航空免許を有する運転手(パイロット)が必要だし、ひとり乗りの個人ユースであれば完全自動運転(操縦)テクノロジーも必須となるだろう。空に関する法整備も含めて、まだまだ残された課題は多い。

 もっとも、スズキがスカイドライブ社の空飛ぶクルマを製造していたり、トヨタも協業しているジョビー社のeVTOLを試験飛行していたりするなど、自動車メーカーと空飛ぶクルマの関係性は進んでいる。ホンダの想定する未来のモビリティ像が、「近場は自動運転のクルマ、数100km程度の移動は離発着の自由度が高いeVTOL、それ以上の距離はホンダジェットを使うことでシームレスな移動を実現すること」なのも、重要なポイントだ。つまり、ホンダの自社製モビリティをつなぐことで、最短時間かつ効率的な移動を提供するというビジネスモデルの核にあるのが「空飛ぶクルマ」と言える。

 いずれにしても、滑走路不要のコンパクトなポートから離発着できるeVTOLの実現は新しいモビリティ体験の実現につながるテクノロジーとして注目だ。

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