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毎日のように走り回っても「上手くなる」とは限らない! プロレーシングドライバーが教える「運転下手」に欠けている能力とは (1/2ページ)

毎日のように走り回っても「上手くなる」とは限らない! プロレーシングドライバーが教える「運転下手」に欠けている能力とは

運転が下手な人に共通していることとは

「運転が下手だね」と言われて、嬉しい人はいないだろう。クルマ好きなら侮辱された気持ちになるはずだ。しかし実際問題として、運転が得意か不得意かということは、クルマが好きか嫌いかとは別問題で起こり得る。

 クルマにあまり興味がなく、「運転が下手なんだよね」と自ら言えてしまうような人は、そもそもこうした記事に関心を持たないだろう。一方、この”中谷塾予備校”を熱心に読んでくれている読者諸兄なら、少なくともクルマに興味があり、ドライビングテクニックのスキルアップに積極的な人が多いはずだ。そういう人が「運転が下手」と言われれば、大きな落胆を覚えるに違いない。

スキーが下手な理由をドライビング理論で納得

 では、「下手な運転」とはどういうことなのだろうか。本人が自覚している場合もあれば、まったく自覚していない場合もある。ドライビングビギナーであれば、まだ自覚に至っていないケースも考えられる。

 たとえば筆者自身は、スキーやオートバイにも長く親しんできたが、このふたつについては明確に下手だと自覚している。

 スキーは中学生の頃から始め、すでに50年以上のキャリアになるが、いまでも上手く滑れるようになれたと思ったことは一度もない。それは、ある時点で「自分は努力しても上手くなれない」、「意のままに滑れるようにはなれない」という事実に気づいたからだ。

 そのキッカケになったのが、クルマのドライビングを理論的に考えるようになったことである。

 スキーで滑るという行為も、地球の重力、斜面の角度、スキー板と雪面との摩擦係数(μ)、エッジの食い込みによる雪面の剪断力によって成り立っている。人/スキー/環境というトライアングルはクルマの運動理論と本質的には同じだ。しかし、自分はどうしても思うように曲がれず、思うように止まれず、ゲレンデの斜度や摩擦係数の変化、凹凸にも上手く対応できなかった。

 スキービギナーの頃は、キャリアを積めば、練習すれば、いい道具を揃えれば上達するはずだと考えていた。しかし、いくら練習しても、板やブーツを替えても、思いどおりには滑れなかった。

身体的特徴や脆弱な足腰がスキー/バイク下手の原因

 そこでクルマと同じ理論に当てはめて、自分のスキー特性を考えた結果、自分にはサスペンション機能、つまり脚力が圧倒的に不足しているという結論に至った。

 スキー板を履き、身体を支えているのは足だ。その足腰がバンプを乗り越え、板をコントロールし、エッジを立て、向きを変え、ヨーを発生させている。しっかりしたサスペンション機能が備わっていなければクルマを思いどおりに走らせられないのと同じで、自分の足腰はスキーを上手く滑るための性能が決定的に足りていなかったのだ。

 ならばトレーニングで鍛えればいいと考えた時期もある。スクワットやウサギ跳びなどで筋力アップを図ったが、筋肉は付けど足首の関節まわりは太くならず、自分の体重を支えながら十分なダンピング性能を発揮することはできなかった。

 年に数回のスキーのために、日常生活を削ってまでトレーニングを続けることは効率的ではないと気づいた時点で上達はあきらめ、一定のレベルで楽しむことにした。

 二輪車についても同様である。自身の身体的特徴として下半身が細く、上体が大きいため、重心が高い。着座位置の高い二輪車にまたがると、自分よりはるかに重い車体の重心と身体の重心位置が離れていて、車体を十分に支えて操ることができない。停止時の足つき性の安定感も悪く、高い重心を足首で支えきれず、何度も”立ちゴケ”を経験した。このことから、二輪車を本格的に操るのも身体的に難しいと判断し、日常の移動手段としては使っても、サーキットやモトクロスコースに挑戦することはなかった。

 このように、いくら好きでも、どうしても上手くなれない、乗りこなせない、ということは起こり得る。それはクルマについても同じである。

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