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雪道で「4WDは無敵」の錯覚はなぜ起こる? 「走る」「曲がる」「止まる」のうち「走る」だけが突出していることを理解しないと大事故になる (1/2ページ)

雪道で「4WDは無敵」の錯覚はなぜ起こる? 「走る」「曲がる」「止まる」のうち「走る」だけが突出していることを理解しないと大事故になる

この記事をまとめると

■4WD車は雪道で優れた発進・走破性を発揮するが万能ではない

■旋回や制動性能は駆動方式ではなくタイヤのグリップ力に左右される

■「走れる安心感」が油断を招くため雪道では慎重な運転が欠かせない

4WDでもタイヤのグリップ力は覆せない

 滑りやすい低μ路といえば、雪や氷に覆われたウインターロードがその代表格だが、このコンディションで威力を発揮するのが四輪駆動=4WD方式のクルマだ。これに対する二輪駆動、とくにFR方式の車両では、低μ路での走破性、安定性にいまひとつ不安が残りがちだ。ウインターロードで4WDに勝るものはない、と全面的な信頼を寄せるのも無理はない。

 たしかに、どこから見てもこの考え方は正解といえるだろう。4WD方式は、重量物の四隅に配置された4本のタイヤそれぞれに駆動力を与えてクルマを走らせるため、走破性が高いのは当然のこととして、走行する車体の安定度も格段に高めている。

 しかし、この見方は油断すると落とし穴に出くわすことになる。4WDは「走る」、とくに走破性(駆動力)に関して絶対的に有利なことは間違いないが、ドライ舗装路の10〜20%程度まで路面μが下がるウインターロードでほかの要素、「曲がる」「止まる」はどうなのか、ということである。

 よく知られるように、クルマの動きに関する基本3要素は「走る」「曲がる」「止まる」の3点だ。しかし、4WDが絶対的に有利なのは「走る」であり「曲がる」「止まる」については駆動方式以外の要素が大きくかかわってくることを見落としてはいけない。

 駆動方式以外の要素とは、ズバリ、車体と路面をつなぐ唯一の接点、タイヤのことである。舗装路も含め、クルマの大原則は「どんなクルマもタイヤのグリップ限界を超えては走れない」ということを忘れてはならない。

 4WD方式は2WD方式に比べ、低μ路での発進加速性、走破性は格段に優れることになるが、旋回性能やブレーキ性能はタイヤのグリップ力に依存するため、4WDゆえにとくに優れるということにはならない。それどころか、優れた発進加速性、走破性を示すことから、低μ路全般での走行性能に優れるという錯覚に陥り、旋回速度や制動性能を見誤ってしまうおそれがある。

 冬季の走行が、氷雪路を日常としている降雪地帯のドライバーなら、こうしたことはふだんの運転感覚で百も承知しているから問題ないが、怖いのは氷雪路走行が非日常となっている非降雪地帯のドライバーの運転感覚だ。

 時たま氷雪路と遭遇するドライバーなら理解できる運転感覚だと思うが、慣れない氷雪路に対して慎重になり、発進にはじまり旋回、停止とすべての走行場面で、おっかなびっくり、手探りのような運転になるのが普通だろう。

 走りながら、このスピードでハンドルを切っても大丈夫だろうか、ドライ舗装路と同じブレーキングだとスリップしてコントロールを失うかもしれない、といった氷雪路に対する警戒心だ。しかし、こうした感覚は, 走り慣れるにつれて徐々に薄れ、それなりの運転操作に変わってくるものだ。

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