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プラットフォームがメーカー全体を左右する! クルマの走りを大きく決定づける「共通プラットフォーム」の完成度

プラットフォームがメーカー全体を左右する! クルマの走りを大きく決定づける「共通プラットフォーム」の完成度

走りの質をも左右するプラットフォームの良否

 スケールメリットを最優先するのであれば、最小限のプラットフォームを用意して、そのカバーできる範囲で商品ラインアップにするという戦略が有効だ。自動車メーカーの開発リソースは、人的資源としても、金銭的予算としても限りがある。そうしたなかでプラットフォームの数を絞ることは、全体としての開発コスト削減につながる。

 視点を変えると、トヨタがFF系だけで大中小と3種類のプラットフォームを用意できるのは、各カテゴリーだけで十分に規模のメリットが得られるだけの販売台数を達成できるから、と理解することもできる。

 作り手のコストメリットだけではない。開発リソースを集中することは、ユーザーが感じる走りの質を飛躍的に向上させる有効な戦略と言える。たとえば燃費や電費に関わる車両重量についてもプラットフォームを開発する段階で、どこまで軽さを考慮しているかで変わってくる。

 エンジンの搭載位置、サスペンション形式、ステアリング系の配置、ボディ剛性……こうした走りの質に直結する要素は、プラットフォーム設計から受ける影響が大きい。つまり、プラットフォームは自動車作りの基礎に当たる。

 プラットフォームの良し悪しは、そのメーカー全体の良し悪しに影響する。プラットフォームの開発というのは「社運を賭ける」と言ってもいいレベルの重要プロジェクトととらえるべきだろう。

制御系の基盤技術”電子プラットフォーム”

 上手に炊けなかったご飯でもチャーハンにすればおいしく食べられる、といったように、個々のモデルに仕上げる段階で性能を向上させることは可能だろう。しかし、ベースとなる素性のよさがあったほうが伸びシロも大きいし、最終的にいいものができやすいのは自明だ。

 プラットフォーム戦略は、クルマの本質的な性能向上につながるという点で、ユーザーに対してもメリットをもたらすのだ。

 専用設計という言葉の響きは魅力的だが、車種ごとにシャシーを設計していた時代と比べれば、プラットフォーム戦略が成熟してきた時代のクルマは、開発エネルギーを有効活用できていることは間違いない。単純な時代進化だけでない、クルマのデキのよさの原動力となっているのが、幅広い車種をカバーするよう作られたプラットフォームと言えるのだ。

 最後に、このところ見聞きすることが増えてきた”電子プラットフォーム”についても触れておこう。

「車台」と日本語表記されるプラットフォームは、各メカニズムのレイアウトを含めたボディ全般の設計と言えるが、電子プラットフォームはクルマの制御系に関する基盤技術を指している。

 具体的にはパワートレインの制御系、先進運転支援システム、コネクテッド機能などが電子プラットフォームの守備範囲となっている。

 かつてはバラバラに制御系が存在していたが、徐々に統合されるようになり、密に連携するようになっている。”セントラルコンピューティング”と言って、クルマの制御系をひとつに統合する方向が、電子プラットフォームの未来像と言える。

※本記事は雑誌「CARトップ2026年1月号」の記事を再構成して掲載しております

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