
この記事をまとめると
■ETCカードの貸し借りは「電子計算機使用詐欺罪」にあたる場合がある
■かつての検挙の背景には禁止事項「暴力団関係者の使用」があった
■ETC車載器に関しては誰のものを使用しても問題ないことになっている
ETCカードの貸し借りは犯罪だった!?
高速道路の利用時に、いまや欠かすことのできないETC。そのETC使用時にETCカードの名義人が同乗せずに、他人のETCカードを借りて通行した場合、違法になる可能性があるという。NEXCOなど高速道路各社では、条件として「クレジットカード(ETCカード)による料金の支払いは、通行の都度、クレジットカード会社から貸与を受けている本人が乗車する車両1台に限り行う」としているからだ。
現実問題として、夫婦間や親子間でETCカードを貸し借りする例は珍しくないが、2024年5月、大阪地方裁判所は、家族間でのETCカード貸し借りが「電子計算機使用詐欺罪」にあたるという判決を下しているのだ。この「電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)」の内容は、10年以下の懲役というけっこうな重罪なので検挙されたら大変なことに!?
ちなみに上記の裁判では、暴力団関係者がその弟名義のETCカードを使って高速道路を走行し、有罪判決を受けたというもの。この事件、カード名義人の弟はクルマに同乗していなかったが、兄の使用は承諾しており、利用料金も滞りなく引き落とされているようなので、金銭のやり取りという面だけでいえば、誰にも迷惑はかけていない。にもかかわらず、法的にはやはりアウトだという。
上記の事件は、ただの貸し借りが原因ではなく、背景にはクレジットカードの暴力団排除条項をくぐり抜けようとした点や、同様の利用が繰り返し行われ、常習的な行為だったことが、検挙の原因だったと考えられるので、普通の家庭で、家族間や親しい間柄で、スポット的にETCカードを貸し借りしたとしても、まず問題視されることはないはず。そもそも利用状況を調べられることも、普通はないはずなので、神経質になることはないと思うが、それにしてもETCカードの貸し借りが有罪になる可能性があることは、覚えておいた方がいいだろう。
それを踏まえて、家族で共有しているクルマで、財布の出所が同じ家族、つまり同一生計の家族がETCを使いたい場合、ETCカードはどう取り扱うのが正しいのか。
ベストなのは、家族カードを発行し、ひとりひとり別々のETCカードを作ること。一般的なクレジットカードでは、本会員の家族に対して「家族カード」の発行が可能なはず。そのクレジットカードに付帯する形で、家族それぞれの名義のETCカードを発行するのが一番確実だ。
少々面倒かもしれないが、合法的にETCを利用するならドライバーがひとり1枚ETCカードをもって、それを利用するしかない。
余談だが、ETCカードは他人名義のものを借りるとNGになるが、ETC車載器は誰のクルマのものであっても問題ない。レンタカーはもちろん、友人知人、勤め先のクルマ、修理工場の代車であっても、「自分名義」のETCカードを挿入して利用するのは合法なので安心を。
法に抵触する可能性があるのは、他人のETCカードを借りて自分のクルマに利用することなので、これだけは頭の隅に入れておこう。
