WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

「クローラー」か「ホイールローダー」か……どんな違いがある? 重機の足もとに2種類が存在するワケ

「クローラー」か「ホイールローダー」か……どんな違いがある? 重機の足もとに2種類が存在するワケ

この記事をまとめると

■建設機械の足まわりには「クローラー」と「ホイールローダー」の2種類がある

■「クローラー」はキャタピラで走行する車両で不整地に強い

■「ホイールローダー」はスピードが出るので作業効率がいい

クローラーとホイールローダーのメリット&デメリット

 土木工事の現場などで、よく見かける建設機械。その足もとに注目すると、戦車のような「クローラ(キャタピラ、履帯)」を履いたものと、巨大な「ゴムタイヤ(ホイール)」を履いたものの2種類あることに気づく。この2者には、どのような違いがあるのか。また過酷な現場では、なぜクローラに絶対的な信頼性があるのだろうか。

 両者の最大の違いは、地面と接する「足まわり(走行装置)」の構造と、それによる「走破性」や「移動スピード」にある。

・クローラ

 鉄製やゴム製のベルトを車輪に巻き付け、キャタピラで走行する。パワーと悪路走破性に特化している。

・ホイールローダ

 巨大なゴムタイヤを装着し、クルマのように走行。移動性に優れている。

 これらの違いからもわかるように、ホイールローダの最大の強みは「機動力」だ。最高速度は30km/h~40km/hほど出せるものが多く、ナンバープレート(自動車登録番号標、車両によっては車両番号標・標識とも)を取得すれば一般公道を自走できる。タイヤによるスムースな転がり抵抗の少なさにより、作業のテンポが速く、舗装された路面を傷つけずに走行することが可能だ。デメリットとしては、「軟弱路面に弱い」こと。一般に建機は車重が重いため、ぬかるんだ泥地や深い雪のなかに立ち入ると、タイヤが空転したり、自重で沈み込んだりして動けなくなるリスクがあるのだ。

 これに対してクローラ式のメリットは、「圧倒的な悪路走破性」と「強大な牽引力(パワー)」だ。泥濘地・岩場・急傾斜地など、普通の車両なら1歩も進めない場所でも確実に駆動力を発揮できる。ただ、移動速度がたいへん遅い(一般に10km/h以下、ただし履帯戦車のなかには70km/h程度出るものもある)。また、鉄製クローラの場合は舗装路を走るとアスファルトを破壊してしまうため、基本的に公道を自走することはできない。現場への移動には、必ずキャリアカー(回送車)が必要となるのだ。

 このように移動には手間のかかるクローラだが、建設現場ではたいへん重宝されている。その理由は、以下の2点によるところが大きい。

①:低い接地圧

 クローラは、車重を広い面積で地面に分散させている。重量級の油圧ショベル・クレーンブルドーザなどでも、未整備地・泥地・砂地などでスムースに作業を行うことができるのだ。

②:強大なグリップ力

 クローラには「グローサ」と呼ばれる突起(ラグ)がついており、これが爪のように地面に突き刺さる。タイヤのように「点」ではなく「面」でトルクを伝えるため、パワーロスが非常に少ない。山を切り拓いたり巨岩を押し出したりするような高負荷の作業では、クローラでなければ作業が進まないのだ。

 高速移動と効率的な積込作業が得意な「ホイールローダ」と、どんな悪路もものともしない重作業の王者「クローラ」。一見、タイヤのほうが現代的に思えるかもしれないが、過酷な現場になればなるほど、クローラのもつ「沈まない・滑らない」という原始的かつ絶対的な物理特性が必要不可欠になる。速く走るだけが、車両の利点ではないのである。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了