
この記事をまとめると
■歴代12代のカローラからベストなデザインをもつモデルを選出
■旧世代は5代目(AE80系)、新世代では9代目(E12系)がベスト
■コンパクトカー本来の合理性や美しさを備えた2世代といえる
カローラのベストデザインはこれだ!
長寿モデルをはじめ、何代かに渡って販売されるモデルはそれぞれの時代を反映させたコンセプトが盛り込まれており、もちろんそれはスタイリングにもいえること。そこで、そんな各歴代のなかからあえてベストデザインを選んでみるのがこの企画です。なにしろ個人的な意見ゆえ、苦情反論は受け付けませんので悪しからず(笑)。
本シリーズ12回目となる今回取り上げるのは、トヨタのカローラです。1966年の初代登場以降、じつに12代を誇る超長寿モデルで、大袈裟でなく日本のモータリゼーションを支えてきた存在。それゆえ、ベストモデルを1台に絞るのは難しく、以前のスカイライン同様、準ベストを含めた2台をピックアップしたいと思います。
肝心のベストデザインは1983年発売の5代目(AE80系)の4ドアセダンとします。
この代のカローラ(スプリンター)というと、クルマ好きには「レビン」「トレノ」が常に話の主役となりますが、「素敵に、スポーティハンサム」のキャッチコピーのとおり、個人的にはセダンのスタイルこそ注目すべき存在だと考えています。
「先進的でオリジナリティの高いスタイル」を掲げたボディは、短くウエッジしたプロポーションが特徴的。繊細なキャラクターラインが引かれたプレーンなボディにはビッグキャビンが載りますが、上屋の大きさを感じさせない絶妙のバランスです。黒基調でシンプルにまとめられたフロントフェイスと、ボディを1周するブラックのプロテクターが全体のアクセントとなり、さらにガーニッシュ一体型の大型テールランプがリヤビューをキリッと引き締めています。
販売的には、基本スタイルを踏襲し大幅に質感を高めた6代目の人気が高かったようですが、60mm短く、20mm狭く、20mm高いスリーサイズによる絶妙の立体構成感はまったく別モノ。その欧州車的な佇まいが同時期のいすゞ・FFジェミニに近似していることから、イタルデザイン・ジウジアーロの関与がウワサされていますが、なるほどと納得してしまうグッドデザインといえるでしょう。
さて、準ベストデザインとするのは、2000年発売の9代目(E12系)です。いわば、旧世代の代表が5代目とすれば、この9代目は新世代のベストといえます。「New Century Value」を掲げ、ゼロからの出発となった同車のスタイルは、トヨタの欧州スタジオであるEDスクエアの案。極めて強いカタマリ感とシンプルで強い面で構成されたボディは、まさに欧州車的な高い合理性を醸し出しています。
1年前には、やはり欧州スタジオのギリシャ人デザイナーによる初代ヴィッツが革新的なコンパクトカーを提示しましたが、この時期のトヨタは非常に高い志をもっていたようで、注目すべきモデルが数多く輩出されました。昨年のジャパンモビリティショーで展示されたコンセプトカーをはじめ、最近はスポーティ方向に邁進するカローラですが、今回取り上げた2台のように、コンパクトカーの原点や本質に立ち返ってほしいと思えるのです。
