
この記事をまとめると
■ロータスはコンセプトカー「セオリー1」で次世代のEVスポーツカー像を提示した
■1600kg以下の軽量設計や没入型ドライバーシステムなど独創的な技術を採用
■ロータスの新時代を象徴するモデルとして今後の市販化に期待が高まる
ロータスのショーケースは1000馬力で3シーター
2020年代を迎えて、一気にプロダクションモデルのBEV化を進めるとともに、ハイパーSUVの「エレトレ」や、ハイパーGTの「エメヤ」という、これまでの同社のイメージからは考えられなかった、斬新なプロダクトを生み出してきたロータス。その選択が正解であったのかどうかは、正直なところ意見がわかれるところだが、その一方でロータスは伝統のスポーツカーをさらに進化させることを忘れてはいなかった。
ちなみに現在ロータスが生産するスポーツカーは、「エミーラ」と「エヴァイヤ」の両モデル。それまでの「エヴォーラ」の後継車として誕生したエミーラは、メルセデスAMG製の2リッター直列4気筒ターボ、もしくはトヨタ製の3.3リッターV型6気筒スーパーチャージャーエンジンをミッドに搭載してデビューしたが、2026年モデルではさらに積極的な改良策が施され、新たにLSDの標準装備化や、サスペンションのチューニングを見直すとともに20インチ径の鍛造アルミニウム製ホイールを採用した「V6SE」が登場したほか、ほかのモデルにもさまざまな技術的改良が実施されている。
かねてからエミーラは、ロータスにとって最後の内燃機関搭載モデルになると噂されているだけに、その進化はロータスのカスタマーには大いに刺激的な話題となるのは確かなところだ。これまでさまざまな事情で納車が遅れていた2000馬力級のBEVハイパーカー、エヴァイヤは130台の限定車となるが、これは現在のロータスが誇る究極像を象徴する存在だ。
そのロータスが、自ら「インテリジェントパフォーマンスカーの未来を体現するモデル」と宣言して、2024年9月に発表したコンセプトカーが、今回紹介する「セオリー1」だ。セオリー1はその後、2025年9月にドイツのミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2025」にも出品され大きな話題を呼んだが、ここでは改めてその概要を解説していくことにしようと思う。
セオリーとはもともと英語で理論や学説を意味する言葉だが、ビジネスやエンジニアリングなどの文脈においては、「定石」や「物事の基本的なやり方、法則」、あるいは「うまく物事を進めるための王道ともいえる手順」を意味することが多い。実際にセオリー1のボディを見ても、そのデザインだけでその車名のとおり新たな定石を構築し、かつBEVであってもロータスらしさは失わないという強い意志が伝わってくる。
セオリー1のボディデザインは、シャープなライン構成を用いて、ダイナミックな印象にまとめられている。フロントフェンダーや相当なボリューム感をもつリヤフェンダーの造形などはその典型的な例で、実際にボディサイズは全長で4490mmに達するものの、そのファーストコンタクトから軽さをイメージさせるのは、さすがにロータスの仕事である。
