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【試乗】中国製軽EV「BYDラッコ」はモーター出力のセッティングが凄い! 走りとパッケージングを公道で徹底チェックした【前編】 (1/2ページ)

【試乗】中国製軽EV「BYDラッコ」はモーター出力のセッティングが凄い! 走りとパッケージングを公道で徹底チェックした【前編】

この記事をまとめると

BYDの軽EV「ラッコ」は国産スーパーハイト軽を徹底研究して開発された

■発売が開始された市販モデルに中谷明彦氏が試乗

■320kmの航続距離と力強いモーターに加えて低重心化による走りのよさも特徴

海外メーカー初の日本専用軽自動車

 BYDが日本専用車として送り込んできた「BYD RACCO(ラッコ)」がさまざまな話題を呼んでいる。かつて米国側から、日本独自の軽自動車制度が事実上の非関税障壁となり、米国車が日本で売れにくい要因のひとつだと批判されたこともあった。しかし、だからといって米国メーカーが日本の軽自動車規格に適合した商品を本気で開発しようとする姿勢はほとんど見られなかった。米国だけでなく欧州を含め、世界の自動車メーカーが日本の軽市場そのものをターゲットとして専用車を開発する例は、これまでなかったといっていい。

 数年前、北米のある自動車メーカーのトップが来日した際、ホンダN-BOXに試乗し、その仕上がりのよさに感激して数台をもち帰ったという話を聞いた。そのときには、いよいよ北米メーカーも日本の軽市場へ動き出すのかもしれない、と淡い期待を抱いたものだが、実際に動いたのは中国のBYDだった。

 一方、近年は訪日外国人がレンタカーなどを通じて軽自動車に触れる機会も増え、日本独自の軽自動車の商品性が海外でも注目されるようになっている。中古軽自動車の輸出も増加しており、知人のタイ人から「N-BOXをタイでも販売するようホンダに伝えてほしい」と頼まれたこともある。

 現在の軽自動車の完成度は極めて高い。実際に触れれば、国籍に関係なく誰でも興味をもつのも当然だろう。そう考えると、BYDが海外メーカーとして初めて日本の軽規格に専用設計した軽EVを送り込んできたのは、ある意味では自然な流れだったのかもしれない。

 身のまわりを見渡せば、家電や日用品、衣類、自転車など、日本ブランドであっても中国で生産される製品は数多い。国産車に使われる部品にも中国製は少なくない。もはや「どこの国で作られたか」だけで商品の価値を判断する時代ではなくなっている。そんな現在の日本市場の実情を踏まえたうえで、ラッコを評価する必要がある。

 ラッコは海外で販売しているクルマを日本の軽規格へ合わせたモデルではない。日本独自の軽自動車規格に合わせてシャシー、ボディ、駆動・制御システムまで専用設計した。しかも、国内でもまだシェアの小さい軽EVを、日本メーカーさえまだ手がけていないスーパーハイトワゴンとして登場させた。

 BYD自身が「既視感」と表現するように、ラッコを目の前にするとホンダN-BOXをはじめとする国産スーパーハイト軽を相当に研究したことがすぐにわかる。パッケージング、後席の使い方、スライドドア、収納、快適装備まで、日本のユーザーが軽自動車になにを求めているのかを徹底して分析し、そこへBYDが得意とするEV技術を組み合わせている。

 今回試乗したのは最上級グレードの「ラッコ300Premium」。35.84kWhのリン酸鉄リチウムイオン・ブレードバッテリーを搭載し、一充電走行距離はWLTCモード320km。フロントモーターは最高出力47kW(64馬力)、最大トルク160Nmを発生して前輪を駆動する。

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