
完成度の高いベース車を妥協せずにチューニング!
CARトップの、少なくともこの「峠讃歌」の読者は知ってるよな。ヒョンデ・アイオニック5 Nに、オレが開発を手がけたDKエディションがあることを。650馬力のEVをベースに、ヒョンデの開発チームと一緒に、1年がかりで完成させた足やブレーキ、エアロを装備したモデルだ。
そもそも、なんでオレがヒョンデと仕事することになったか。最初は、開発中のアイオニック5 Nに乗ってみてくれ、って言われたことだったんだよ。
走らせたら、これがいいクルマだったんだ。めっちゃ速いのはもちろんだけど、2.2tもあるとは思えないくらい動きが軽やかだし、乗り心地の質感も高い。4kmくらいあるテストコースを全開で14周できたのも、たいしたもんだね。普通は、バッテリーが5周くらいしかもたないよ。
とはいえ、サーキットを走り込むと、気になるところもあった。まずブレーキ。袖ヶ浦フォレストレースウェイを攻めると5周目くらいから、ちょっとだけ甘くなる。120km/hを超える速度域ではもっとダウンフォースもほしい。それに、車高はもうちょっと低いほうがカッコいい。なにより、そのままだとちょっと地味。韓国では、あまりゴテゴテした見た目が好まれないみたいなんだけど、650馬力もあるスゲェクルマだってのが、パッと見じゃ伝わらないのはもったいないよな。
それを伝えたら、じゃあ土屋さんやってください、っていわれてさ、ドリキンバージョンを作ろうって話になったんだよ。
そこからはいろいろやったね。足まわりはパーツをさんざん作ってみて、車高も1mm刻みで試していって、エアロのテストと合わせて、群サイと袖ヶ浦をめっちゃ走り込んだよ。最終的に走りと乗り心地のバランスが一番よかったのは、純正ダンパーに6mmダウンのスプリングのセットだったな。
ブレーキもそう。純正は、ニュルでテストしたってだけあってよく利くし、ヒョンデはこのままでいいっていったんだけど、攻め続けてるとブレーキングポイントが2mくらい手前になる。ほんのちょっとの差なんだけど、DKエディションを名乗るからには見逃せないよね。で、キャリパーもだけど、パッドもあれこれ試したよ。
街乗りでも、2.2tをしっかり止められないといけないから、100km/hからの停止タイムも計ったよ。万が一飛び出しがあったとき、10cm手前で止まれるかどうかが、事故になるかならないかを分けるからね。
