
この記事をまとめると
■現在の軽自動車規格は30年近く変更されていない
■規格は1949年の誕生から拡大を続け1998年に現行規格となった
■今後は出力上限のない軽BEVのモーター性能がどう進化するかが注目される
知っているようで知らない軽自動車規格
いまやニッポンの国民車となっている軽自動車。一定の規格の範囲内で作られることが求められていることは、ご存じだろう。はたして、あなたはパッと“いまの軽自動車規格”を答えられるだろうか。
正解は次のとおり。
全長3.40m以下
全幅 1.48m以下
全高2.00m以下
排気量0.660リッター以下
上記以外の条件は法的には明記されていない。乗車定員4名、最高出力47kW(64馬力)、140km/h速度リミッターのいずれも、軽自動車規格で決められたものではない。乗車定員は慣例的であるし、最高出力や速度リミッターは自主規制によるものといえる。
さて、現在の軽自動車規格が生まれたのは1998年10月と四半世紀以上前のことだ。軽自動車規格は、次のような変遷によって、現在の数値へと落ち着いている。
●1949年7月:全長2.80m・全幅1.00m・全高2.00m。排気量0.15リッター(4サイクル)/0.10リッター(2サイクル)
●1950年7月:全長3.00m・全幅1.30m・全高2.00m。排気量0.35リッター(4サイクル)/0.20リッター(2サイクル)
●1951年8月:全長3.00m・全幅1.30m・全高2.00m。排気量0.36リッター(4サイクル)/0.24リッター(2サイクル)※1955年に2サイクルも0.36リッターに統一される
●1976年1月:全長3.20m・全幅1.40m・全高2.00m。排気量0.55リッター
●1990年1月:全長3.30m・全幅1.40m・全高2.00m。排気量0.66リッター
●1998年10月:全長3.40m・全幅1.48m・全高2.00m。排気量0.66リッター<現行規格>
こうして見ると、軽自動車は誕生時からするとかなり拡大していることがわかる。それにしても、不思議なのは排気量上限の数字が1951年以降、半端な数字になっていることだ。
戦後、最初の軽自動車規格が生まれたときは4サイクルが0.15リッターで、その翌年には0.35リッターと5の倍数であったのに、なぜか1951年の改正において0.36リッターと中途半端に大きな数字になっている。
この背景について「350ccの排気量で作ったエンジンを、修理するときにボーリング(ボアを拡大)しても軽自動車規格に収めるためのマージン」という都市伝説もあるが、明確な根拠はない。
というわけで、“360”という中途半端でありつつ、幾何学的にはしっくりくる数値が、軽自動車のエンジン排気量となった。第一次の軽自動車ブームが、この排気量によって生み出された……とはいえないが、丸(円)を連想させる360という数字の響きは、庶民の親しみやすさにつながったのかもしかもしれない。
次の規格改正において排気量上限が550ccとなった経緯も謎に包まれている。そもそも、排気量アップの背景には「排ガス規制の強化と、それに伴うパワーダウンをカバーする」という狙いがあったという。
