
この記事をまとめると
■右折のため道路中央に寄った車両は左側から追い越すことが原則となる
■追い越し自体が禁止される場所では左側からでも追い越してはならない
■通行できるスペースがあっても危険がある場合は無理に抜かないことだ
「追い越しは右側」が原則だが……
片側一車線の道路を走っていると、前方のクルマが右折ウインカーを出して停止している。対向車は途切れず、なかなか曲がれない。後続車はどんどん詰まり、気もちが焦ってくる。こんなとき、右折車の左側にはわずかなスペースが空いていて、路肩を使えば通り抜けられそうに見える。実際、こうした場面で右折待ち車両の左側を通過するクルマを見かけることもある。
しかし道路交通法では「追い越しは右側から」というのが基本原則だ。ならば、右折待ち車両を左から抜くのはルール違反ではないのか? それともこれは例外なのか。本稿では、多くのドライバーが判断に迷いやすいこの場面について道路交通法の条文に沿って整理してみたい。
道路交通法第28条第1項には「車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両の右側を通行しなければならない」と書かれている。つまり、追い越すときは原則として右側を通行することになる。
しかし、右折のために道路の中央へ寄っているクルマを右側から抜こうとすれば、対向車線へ大きくはみ出すことになってしまう。そこで同条第2項は、前車が第25条第2項または第34条第2項・第4項の規定により道路の中央または右側端に寄って通行しているときは、前項の規定にかかわらずその左側を通行しなければならないと定めている。
第34条第2項は右折の方法を定めた条文で、自動車などは右折しようとするときあらかじめできる限り道路の中央に寄り、交差点の中心の直近の内側を徐行しなければならないとしている。つまり右折待ちのクルマは、まさにこの規定どおりに道路の中央へ寄っている。であれば、後続車がその左側を通ることは、追い越しの原則である「右側通行」に対する法律上の例外そのものなのである。
とはいえ、この規定を根拠にどんな場合でも左側から抜いていいわけではない。いくつかの条件と注意点がある。
