
この記事をまとめると
■ボルボのフラッグシップEVセダンであるES90に試乗した
■3100mmのホイールベースによる車内空間の広さは後席足もとで正座ができるほど
■最上級グレードは1300万円となるがSUVのEX90よりもセダンのES90は売れている
ボルボの新世代EVセダンのES90に試乗
ボルボの最大サイズ、最上級セダンをS90という。そのバッテリーEV=BEVモデルがまったく新しいES90として誕生した。セダンの意味では同じだが、S90からの派生ではなくES90はBEVとして完全に独立した存在。日本には同じく上陸したボルボBEVの第二世代シャーシを使う、SUVの最高峰であるEX90が血縁関係にある。
すでにそのEX90は試乗記をお届けしているので、今日はセダン、というより優雅なショーファーリムジンの雰囲気と広々と余裕の室内空間をもつES90のシートから送りする。より安全に、より快適に。ボルボが目指すクルマ作りだが、古くからの安全神話はさらに磨かれ、BEV化で快適性も加わって、さて現実はどうだろう。
エンジンは回転を上げることでパワーとトルクが盛り上がる。一方のモーターは回転すると同時に最大トルクを発生する。その威力で、BEVはもちろん、モーターを主体とするHEVやPHEVが静かで速いということはいまや常識になった。
もちろんES90も同様に、アクセルを“早く深く踏み込む”と、速いなんてレベルじゃない。”ガーン”と衝撃とともに超絶なダッシュ力に襲われて、脳ミソが後ろに偏るかと思うほど急激な加速Gに頭はクラクラ、血の気が引く加速は体にいい訳はない。
それでも0-100km/h加速タイムでは4.0秒と、驚くほど速いタイムではないことは逆に驚くが、駆動力がまったく逃げずにダイレクトに伝わる証明か。ただし基本はリヤ駆動だから、タイヤのスリップを人間が感じるより早くフロントも駆動させる、これがツインモーターの威力だろう。
試乗車はES90ウルトラ ツインモーターという最強グレード。フロント220kW /390Nm、リヤ280kW/480Nmをトータルすると総出力500kW、総トルク870Nmを、800V/106kWhのリチウムイオンバッテリーで駆動する。航続距離はWLTCモードで720km。もう十分である。肝心の充電は、これが充電器の性能に左右される。バッテリー残量10〜80%までの急速充電をCHAdeMO50kWでは89分。90kWで50分。150kWは39分。350kWなら22分という充電時間を要すところが現状。
ということでボルボES90の俊足加速タイムを含む動力性能の高さは理解できた。アクセル操作は踏み込む、戻す際の繊細な戻し術も、走りとハンドリングに強く関係する。速さの一方、室内からの印象をいえば、ズバリ何もかもが圧倒的に大きく広い。全長はジャスト5m(5000mm)×全幅1940mmx全高1545mm。
ホイールベースは何と3100mmもある。軽自動車の全長は3400mmだから、ボルボES90の前輪と後輪の間に軽が約1台分納まると考えるとそのスケール感がわかる。これは同時にデビューしたSUV版のBEV、EX90のホイールベースよりも100mm以上長い。その恩恵はセダンらしく後席まわりのスペースにある。運転席のシートポジションを筆者に合わせると、後席足もとのカーペットの上で筆者が正座できるほど広い。
