
この記事をまとめると
■旧車ブームで日本の中古車価格が上昇していると思われているが原因はほかにもある
■スポーツカーだけでなく海外ではや軽トラも人気が高い
■中古車輸出は上半期だけで85万台を超えており年間170万台突破の可能性もある
旧車だけでなく普通の中古車も高騰する日本市場
最近、中古車の買取価格が上昇している。そんな話を聞いたことがあるかもしれない。買取各社の「あなたのクルマを高く買う」という宣伝文句はお馴染みだが、「かなり年式が古いクルマでも高く買う」といった事例もある。
こうした中古車市場の動向にはさまざまな要因が考えられる。
たとえば旧車ブーム。BS放送ではタレントが旧車を語る番組や、地方都市にお宝の旧車を探しにいく番組など、旧車人気を支える情報が増えている。昭和ブームもあって、中高年だけではなく若い世代での旧車思考をもつユーザーがいて、中古車価格が上昇しているといえるだろう。むろん、どんな旧車でも高く売れるというのではない。人気車の価格が上がるのは至極当然のことである。
一方で、中古車の海外流出が国内中古車価格の上昇に大きな影響を及ぼしていると考えられる。
そう聞くと、アメリカでの「スカイラインR32/R33/R34 GT-R」や軽トラの需要拡大のニュースを思い出す人がいるかもしれない。
1990年代末から2000年代初頭、アメリカ西海岸で局所的に発生したジャパニーズチューニングカーブーム。映画『ワイルドスピード(邦題)』シリーズへと発展する若者層での社会現象だった。その時代に憧れる幅広い年齢層のユーザーが、GT-Rなどを大人買いしているのだ。また、軽トラについては、牧場などでの作業車として人気となり、趣味と実益を兼ねたアメリカにはない小型商用車として需要が拡大。国内市場で軽トラの中古車価格を押し上げる要因のひとつになっている。
ところが、こうした各種要因は、中古車の海外流出のなかでは氷山の一角に過ぎない。
日本から海外で中古車を輸出する業者団体である日本中古車輸出業協同組合によれば、2026年1〜6月の累計輸出台数は前年同期でプラスとなる85万台を超えている。輸出先は、もっとも多いのがロシア、次いでタンザニア、ニュージーランド、モンゴル、ケニア、チリ、スリランカ、南アフリカ、タイ、英国と続く。
日本からロシアへの中古車輸出が多いことは、各種メディアを通じてこれまで何度も報じられているので、その事実を知っているユーザーは少なくないだろう。
とはいえ、いまだにロシアとウクライナの間での国家間課題は山積しており、そうしたなかでロシアへの中古車輸出が増えていることに驚く。
中古車輸出は、1980年代、1990年代、2000年代と増加し年間130万台レベルとなったものの、2008年のリーマンショック後に一気に半減。それを底にして2010年代に向けて上昇し、コロナ禍を経て再び上昇している状況だ。2026年は前述のような上半期実績での好調が続けば、170万台を超える可能性がある。
日本車は何年経っても丈夫で壊れないし、修理のための交換部品も多く出まわっているという安心感から、今後も中古車の海外流出は続きそうだ。
