
この記事をまとめると
■日産はサニーに175馬力のSR16VEを積む「VZ-R」グレードを設定していた
■外観は控えめながらスポーツサスペンションやLSDなどを装備
■需要は伸びず約300台の販売にとどまり2年ほどで消滅した
幻となったサニーのホットモデル
1980年代から90年代にかけて、1.6リッターのエンジンを搭載したいわゆるテンロククラスには、各社が競ってホットモデルを設定し、激しい性能競争を繰り広げていた。
当時のテンロククラスの最強モデルといえば、1997年に登場した初代のホンダ・シビックタイプRの名前が真っ先に挙がるが、日産にもNAながら175馬力を叩き出すSR16VE型エンジンを搭載する「VZ-R」なるグレードを備えたモデルが存在していた。
その代表格といえるのはやはりシビックタイプRと同じ3ドアハッチバックボディをもったパルサー/ルキノ兄弟で、N1モデルではシビックタイプRを凌ぐ200馬力を発生させていた。
そんなVZ-Rファミリーのなかで異彩を放っていたのが、1998年に登場した9代目サニーだ。古くはレースシーンでも活躍を見せたサニーであったが、当時すでにユーザーの大半が年輩のユーザーで、ボディタイプも4ドアセダンのみ。
一応、同クラスのライバルであったカローラ/スプリンターのセダンモデルにもGTの名を冠した4A-G型エンジンを搭載したグレードが存在していたので、それに対抗する意味もあったのかもしのかもしれない。
ただ、エクステリアはグリルがブラックアウトされ、アルミホイールが標準となっている程度でリヤスポイラーすら備わらず、一見すると普通のサニーと見わけがつかないレベルで、インテリアも10000回転スケールのタコメーターを備えたホワイトメーターが唯一やる気を感じさせるが、シートもバケットシートなどではなく通常タイプで、シフトノブとステアリングにはウッドがあしらわれるなんともちぐはぐなものだった。
一応、ホットモデルということで足まわりは硬められたスポーツサスペンションで4輪ディスクブレーキ、ビスカスLSDやフロントストラットタワーバーなども装着されてはいたものの、そのままサーキット走行も可能というほどのものではなかった。
実際、日産としても高い需要があると考えてサニーVZ-Rをラインアップしたわけではないようで、販売当初の予測構成比でもVZ-Rはわずか1%となっており、販売後1カ月で1万台の受注を突破した際のデータでも、VZ-Rの受注台数は全体の1%という数値となっていた。
結局、当初の予測どおり(? )サニーVZ-Rは300台ほどの販売台数に留まり、デビューからおよそ2年でヒッソリとラインアップから消滅してしまっている。
