
フロントサスの反力不足とリヤのボディ剛性が課題!
2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーにも選ばれた、BMW 2シリーズグランクーペを評価したい。
まずは駐車スペースからワインディングへと向かう荒れた路面の取付道路をゆっくりと流す。路面からの入力に対して、フロントの剛性は十分であるのだが、リヤにザワつきが感じられ、質感がいまひとつである。このあたりがワインディング本線でどうなるのか、気になるポイントだ。
本線へと入り、速度を上げて本格的にダイナミクス性能を確認する。BMWといえば世界トップクラスのエンジンメーカーとしても名高いが、搭載する1.5リッター3気筒ターボは、メーター読みで2500rpmあたりまでがややゴロゴロとしたフィーリングだ。3000rpmくらいから上の回転振動、そして静粛性はさすがBMWという質感の高いものであったが、低回転域のゴロゴロ感は、たとえ3気筒であってもBMWならもう少しどうにかなるのではないかと思ってしまう。また、パワー・トルクももう一歩といったところだ。もしかすると燃費、質感、動力性能のバランスを取ると、このあたりが妥協点なのかもしれない。
路面からの入力も大きく、アップダウンの激しいワインディングでコーナーをいくつも抜けて確認したが、冒頭で感じたリヤのザワつきは、やはり剛性によるものである。このグランクーペはハッチバックスタイルをとり、ラゲッジ部分にバルクヘッドがない。これが影響し、とくに斜めの捻れのような力が入った際にリヤが若干安定しないのだ。加えて試乗車にはサンルーフが付いていたが、これも無関係ではないだろう。
もちろんダイナミクスを確保するという意味での剛性は十分だが、走りの上質さを追求するということにおいては、リヤの剛性をさらに高める必要がある。
これを助長しているのがタイヤだ。装着しているグッドイヤー・イーグルF1は、絶対的なグリップやパターンノイズにおいては優れた性能を持っている。しかしコンストラクションの部分でトップゴムを支えるベルトが強く、ハーシュネスがキツいがゆえに、車体への入力も大きくなるのだ。また一般的にはそこまで気がつかないかもしれないが、若干サイドウォールに弱さがあり、S字のようなコーナーの切り返し時に一瞬レスポンスの遅れが生じたり、安定性にも影響している。
続いて指摘しておきたいのはサスペンションだ。とくに下りコーナーへの進入でブレーキングすると、フロントに結構大きな荷重移動が発生する。これは前後の動きに対するフロントサスの反力がいまひとつであることが原因だ。荷重移動が大きければ、当然走りの安定性に影響する。加えて、減速時にリヤの荷重が抜けるため、リヤのブレーキが十分に利かず、フロントブレーキの負担が大きい。試乗日は気温がひと桁台であったが、フェードして利かなくなるということはないものの、ギリギリであったことを述べておく。
まとめよう。2シリーズグランクーペは普通に日常使いをするという視点で見れば非常にいいクルマだ。ただし本企画の主旨であるドライビングプレジャーという観点で細かく分析すると、主にリヤの剛性、タイヤ、フロントサスが改善点として挙げられる。BMWであるがゆえの厳しさも込めての評価としてみてほしい。
※本記事は雑誌「CARトップ2026年3月号」の記事を再構成して掲載しています
