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ボルボの博物館がテーマパークに進化! 新聖地「ワールド of ボルボ」で名車を漁る

ボルボの博物館がテーマパークに進化! 新聖地「ワールド of ボルボ」で名車を漁る

ボルボの新たな聖地となったテーマパークを満喫

 ワールド of ボルボを訪れたのは2024年の6月。ボルボには個人的にも興味があって、ヨーテボリの本社に併設されていたボルボ博物館には、かねてから取材というか訪問することを希望していたのだけれど、なかなか簡単には叶わなかった。

 そしてようやくスウェーデンへの取材ツアーに行くことになったと思ったら、肝心のボルボ博物館が閉鎖されるというニュースが聞こえてきた。いや、閉鎖というのは正確ではなく、2024年の4月に新装オープンするワールドofボルボに移転するということらしい。

 ならば、とワールド of ボルボを取材ツアーのスケジュールに組み込んで6月3日の夜に羽田を発ち、フィンランドのヘルシンキを経由してデンマークのコペンハーゲンに到着。そこからレンタカーでスウェーデン国内の自動車博物館を歴訪する旅が始まった。そしてツアー4日目の6月7日に、いよいよボルボの新たな聖地、ワールドofボルボを訪問することになった。

 先にも書いたように、ボルボ博物館を訪れたことはなかったのだけれど、多くの紹介記事で頭のなかにはイメージができあがっており、収蔵車両のバリエーションと、その展示形式は、より博物館らしいスタイルに仕上がっていた。繰り返すが、実際には訪れてないのだから、これはあくまでも個人的な心象風景でしかないのだけれど。

テーマパーク的な展示は若いファンを創出するためか

 ところが今回訪れたワールド of ボルボは、博物館的というよりも新旧のクルマを集めたテーマパーク風にまとめられていた。もちろん見たかったモデルはひと通り展示されていたから、文句を言うこともないのだけれど。

 それに何よりも、スウェーデンを代表する自動車メーカーとして多くの若いユーザー予備軍を育てるためには、博物館のテーマパーク化は大切な施策のひとつ、ということだろう。そう考えていくと、マニアックなファンで一介の年寄りの個人的な嗜好など無視して構わない。それはそれでちょっと残念ではあるけれど。閑話休題、気になった展示車両の何台かを簡単に紹介していこう。

 まずは今回、初対面となったモデルがÖV4。これはオープン・車両・4気筒を意味するスウェーデン語の頭文字を繋げたもので、ボルボが最初に生産したクルマ。北欧にオープンカーはミスマッチだったようで、1年後にはクローズドのセダン、PV4が登場している。こちらはパーソン・車両・4気筒の頭文字を繋げたもので4気筒の乗用車、といったところだろう。またこのPV4から発展してボルボの代名詞ともいうべきエステート、つまりはステーションワゴンも登場している。

1927-29 Volvo ÖV4 2-Door Cabriolet
大型トラックから船舶エンジンまで幅広く手がけてきたボルボが、1927年にベアリングの世界大手であるSKF社の支援を得て初めて製作した乗用車がÖV4。カブリオレはスウェーデンらしからぬ1台に映った。

  

1935-38 Volvo PV36 Carioca 4-Door Sedan
主力モデルのPV650シリーズに続き1935年に登場した上級クラスの4ドアセダンがPV36。ボルボ初の全鋼製ボディを採用し、空力を意識した形状に。フロントに独立懸架サスペンションが組み込まれた先進的なモデルだ。

  

1944-57 Volvo PV444 2-Door Sedan
戦後の主力モデルとなるPV444シリーズは1943年の登場。乗用モデルを示すPVに続く444はそれぞれ4人乗り・4気筒・40馬力(ps)を意味しているが、出力は後に排気量を1.6リッターに拡大し51馬力まで引き上げた。

  

1953-60 Volvo PV445 Duett 3-Door Estate
ボルボといえばエステート、つまりステーションワゴンだが、ボルボ製ワゴンの第1号が1953年に登場したPV445。5ドアではなく3ドアで”デュエット”のマスコットネームはファンから熱視線を浴びた。

  

1956-70 Volvo Amazon 121 4-Door Sedan
商標登録の関係で”アマゾン”のネーミングが使用できなくなり121(シリーズ)へと名称変更したミディアムクラス。ボルボの代名詞であるステーションワゴンの220シリーズもこの4ドアセダンのワゴンモデルだ。

  

1961-72 Volvo 1800 S 2-Door Coupe
昔からエステートは大人気で、また240ターボのレース活動がスポーツ心に響いたボルボだが、じつは早い段階からスポーツカーも手がけていた。こちらは1961年に登場の2ドアクーペ、1800Sだ。

  

1966-74 Volvo 145 5-Door Estate
アマゾンの後継モデルとして1966年に登場した140のステーションワゴンが145。このネーミングはシリーズ名・エンジンの気筒数・ドア数を意味していて、145は1シリーズの4気筒モデルの5ドア(ワゴン)だ。

 さらに展示スペースには大型トラックや建設機械などもラインアップされていたが、天井が高かったり吹き抜けを有効的に配置するなど、展示場自体のレイアウトにも工夫がなされていることも十分に理解できた。大型トラックも生産してきたボルボ・グループを、知識としては理解していたつもりだったが、今回の取材でワールド of ボルボを訪れボルボに浸ることで、実態が納得できた気がする。

1974-93 Volvo 240 5-Door
ボルボの存在感を世界的にも高めることになったのは、やはりステーションワゴンの存在だろう。なかでも大ヒットとなったモデルが240シリーズの245で、2ドアセダンの242や4ドアセダンの244と同時に登場した。

  

1976-91 Volvo 360 GLT 3-Door Hatch-Back
オランダのDAFを傘下に収めたボルボが1976年にリリースしたコンパクトカーが、ボルボ3シリーズ。当初は4気筒エンジンを搭載した3/5ドアハッチバックのみだったが、後に4ドアセダンも登場した。

  

1981-85 Volvo 240 Turbo 4-Door Sedan
モータースポーツとはかけ離れたイメージのボルボだが、ターボを装着した240ターボはレースで大活躍。グループA規定で戦われたヨーロッパ・ツーリングカー選手権で王座を獲得した実績をもつ。

  

1982-90 Volvo 760 GLE 4-Door Sedan
主力モデルだった240シリーズの上級版、260シリーズの後継モデルとして1982年の登場したモデルが760だ。2年後には6気筒を4気筒にコンバートした740シリーズや2ドアクーペの780も追加されている。

  

1991-96 Volvo 850 4-Door Sedan
新世代ボルボともいうべき850シリーズはそれまでのモデルとは一線を画し、直列5気筒エンジンをフロントに横置きマウントして前輪を駆動するという革新的なパッケージで、1991年にデビューを果たした。

  

2002-14 Volvo C30 Electric
ボルボがフォード傘下となった2000年代に登場した新世代コンパクトのC30をベースに、2010年代半ば、フォードからジーリー傘下となってから限定生産された電気自動車(BEV)がC30エレクトリックだ。

  

1967-79 Volvo-BM DR860 Dump Truck
ボルボ・グループのなかで建設機械を製造しているボルボCEは、1950年に機械メーカー、ボリンダー・ムンクテル(BM)を傘下に収めてボルボBMを立ち上げた。そのボルボBMがリリースした大型ダンプがD860だ。

  

1993- Volvo FH16 Heavy-Duty Truck
ボルボトラックが1993年から販売している大型トラックがFHシリーズ。1993年に初代モデルが登場し、2度の大幅なマイナーチェンジを経て、2012年からは3代目となる現行モデルが登場。写真は1993年登場の初代モデル。

ワールド of ボルボ World of Volvo

Lyckholms Torg 1, 412 63 Gothenburg, Sverige.
開館時間:11:00~17:00(木曜は~19:00、土曜は10:00~16:00、日曜は~16:00)
入館料:200~235SEK(邦貨換算約3000~3500円)

  

  

 ボルボ本社とワールド of ボルボがあるヨーテボリはスウェーデンの首都ストックホルムとは反対側、カテガット海峡を挟みデンマークと相対する海峡東岸にあり、海峡に注ぐイェータ川の北にある本社に対し、ワールドofボルボは南東部に広がる新市街に立地している。イェータ川の両岸は開発が進み、渋滞や駐車場探しに苦労したが、一歩奥まったワールドofボルボの近くは土地の区画もゆったりとしていて、併設された立体駐車場以外に広大な平置き駐車場もあった。

※本記事は雑誌「CARトップ2025年7月号」の記事を再構成して掲載しています

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