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都会住まいでも他人事じゃない。タヌキや鹿をクルマで轢く「ロードキル」が増加している理由と予防策 (1/2ページ)

都会住まいでも他人事じゃない。タヌキや鹿をクルマで轢く「ロードキル」が増加している理由と予防策

年々増加するロードキル

 ロードキル。初めて聞いたという人でも(筆者もそのひとり)、じつは誰もが遭遇している身近な問題だ。道路上で車両が関係して発生する野生動物の死亡事故のことである。

 ハンドルを握って年数の浅くないドライバーなら、路上で動物の轢死体を目撃することが昔より増えたと感じている人が少なくないだろう。

 ネクスコ3社など高速道路各社の統計によると、高速道路でのロードキル発生件数は、2002年の約3万6000件から、2018年には約4万7000件に増加。理由は高速道路の供用距離の延長が大きいようだが、直近の2020〜22年は毎年およそ5万件と高止まりが続いている。

 国が維持・管理を行う直轄国道では、同じく2020〜22年で毎年約7万件とやはり多い。また、例えば「人と動物の共生センター」が実施している「全国ロードキル調査」によれば、猫の遺体回収数は確実に減少しているものの、それ以外の動物については増加傾向にある。一般道でも発生件数は高い水準で推移しているのだ。

 ロードキルは、犠牲になった動物たちはもちろん気の毒だが、ドライバーや同乗者も多かれ少なかれ心に傷を負うことになる。また、高速走行での衝突や、相手が大型動物である場合には、クルマのダメージも免れない。動物にとっても人間にとっても不幸な社会問題と言っていいのだ。

 人と動物の共生という面からも、ロードキルの発生を減らすことはできないものか。その取り組みが全国に少しずつ広まっている。

北海道のロードキルの実態と発生しやすい状況とは?

 ロードキルは地域によって発生状況が異なる点もある。ここでは長年にわたって調査や対策が行われている北海道の例を見てみたい。取材したのは、ウェブサイト「野生動物と交通」を運営する一般社団法人 北海道開発技術センターだ。

 まず、北海道におけるロードキル発生件数の推移について。北海道開発局の統計によると、北海道内のロードキル件数は、年々右肩上がりで増加している。

「2023年にはタヌキが急増し、その影響で件数が大きく増えました。それでも北海道で一番多いのはエゾシカです。本州ではタヌキ、犬・猫の件数が多くなります」(同センター 鹿野たか嶺さん)

 北海道ではエゾシカも年々増えており、ロードキル発生地点は近年、北海道のほぼ全域に広がっている。

「昔は山間部での事故が多かったと思います。近年はエゾシカの個体数が増えていまして、市街地でも事故が発生している状況です。エゾシカは雪が苦手なので、こうした雪が比較的少ない地域で生息数が増加していると思われます」(鹿野さん)

「全国的だと思いますが、アーバンアニマルなどと呼ばれています。たぶん近年、野生動物も都市部に生息域を広げている傾向があると思います。エゾシカの場合、ハンターが減ったことも個体数の増加につながっていると推測できます。増えた個体が人の暮らす人里に出てきて、狩猟の危険はないことを学習したのかもしれません」(同センター 佐藤真人さん)

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