知ってか知らずか走る迷惑”ハイビーマー”
夜間に走っていて憤りを感じることがあるとすれば、多くの場合、ほかのクルマが放つライトの光ではないだろうか?
ヘッドライトを上向き=ハイビームにした状態のまま平然と走っている、一部で”ハイビーマー”とも呼ばれているドライバーが少なくない。対向車のみならず、歩行者や自転車なども眩惑させる無神経で危険な行為だ。本来、夜間の安全走行に大きく寄与するものだが、ハイビームが原因で事故に至ったケースは「過去10年間で約300件にのぼる」とも言われている。
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こうした問題の原因は、行政によって『夜間走行時は原則ハイビーム』が啓蒙されていることとも無関係ではないはずだ。実際、道路交通法の52条1項、2項にも明記されていて、推奨ではなく義務。
これまでハイビームにしていなかったことに対して取り締まりや検挙が行われたという話は聞いたことがないが、「原則ハイビーム」という言葉だけが勝手にひとり歩きして、それを鵜呑みにしているドライバーがいたとしても無理はない。
たしかに、ロービームと比較してハイビームは約2倍以上の距離を照らすことが可能で、横断歩行者や自転車などを早めに発見することができる。減速するなどでそれらの思わぬ動きも回避できるのは間違いない。
ハイビームでの道路の照射画像はこちら
また、暗闇の山間の道や、街灯の少ない郊外路などではやはりハイビームは不可欠。頼れる存在であることは誰もが認めるところだろう。
“原則ハイビーム”でも誤った使用は罰則の対象
しかし一方で、街灯が整備されていて、夜間でも十分な明るさが確保された市街地や幹線道路などを「もっと明るく」とハイビームで走る必要などないはずだ。
そもそも近年のクルマの多くに標準装備されているLEDヘッドライトの光量は、”シールドビーム”や”ハロゲン”といった従来のタイプと比較すると最大で約2倍。さらに、その青白い発光色は、照射した物体をクッキリと照らすため、ロービームであっても暗さを感じさせることはまずないはずなのだ。
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逆に言えば、(ハイビームで)照らされた対向車や歩行者、自転車が受ける眩しさはハンパではないということ。眩惑による事故のリスクを高めるのはもちろん、ハイビームを受けた側の気分を著しく害したとしても無理はない。なかには「アオられた」、「嫌がらせを受けた」と、報復行為に及ぶドライバーもいるかもしれない。
「ハイビームが原則」だと前述したが、道交法によれば、「行き違いや車のすぐ後ろなどを走る場合には減光したり、下向き(ロービーム)に切り替えたりしなければならない」とも明文化されていて、怠れば違反点数1点、反則金6000円の罰則が課されることを覚えておく必要がある。
いまさら賢明な本誌の読者諸兄姉に言うまでもないだろうが、肝心なのは状況に応じたロービームとハイビームの使い分けなのである。