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ガンさんがフォレスターを徹底評価。圧倒的な「ボディ剛性」を絶賛しつつもスバルに即時改善を求めた足まわりの弱点【ガンさんこと黒沢元治のDPQ:スバル・フォレスター編】

ガンさんがフォレスターを徹底評価。圧倒的な「ボディ剛性」を絶賛しつつもスバルに即時改善を求めた足まわりの弱点【ガンさんこと黒沢元治のDPQ:スバル・フォレスター編】

加減速など前後の動きに対し反力が発生しないサスが課題

 スバル・フォレスターの1.8リッターターボモデルを評価しよう。

 まずはワインディングへ向かう路面サーフェスの荒れた取付道路を低速で流すと、かなり大きな車体の動きが気になる。一方、ボディ剛性はかなり出ている印象だ。

 ワインディングに入り、本格的に評価を開始する。いきなりだが、期待していた軽快さがない。本企画では、ドライビングプレジャーを主眼にクルマの評価を行うため、担当編集はハイブリッドモデルよりも軽く、アジリティに優れると予想されたターボモデルを選んだというが、この点においては期待はずれだ。車両重量を聞くと1640kgだという。電動化が避けられない時代がゆえ、このサイズであれば1.9トン前後のSUVも多い。そのなかでは、かなり軽い部類だろう。それでも軽快さがない理由を探りながら走ると、主にふたつの要因が見えてきた。

 まずはエンジンのトルク不足だ。聞けば最大で300N・m出ているというが、走った限り数値ほどには感じられない。

 次いでタイヤである。試乗車は、ファルケンブランドのM+Sのオールシーズンタイヤを装着。このタイヤはブロックパターンが小さくトレッド剛性が出ていない。ステアリングを切っても初期のレスポンスがかなり悪く、この点が軽快さをスポイルしているのだ。

 先ほど車体の動きの大きさを指摘したが、コーナーを走り込むと、ロールはそれほどでもないが、ピッチ方向の抑えが利いていないことがわかる。これは前後の動きに対して反力が発生しないようなサスペンションのレイアウトが原因だ。加減速時のスクウォート、ノーズダイブが大きいため、荷重移動が激しく、また路面からの入力による荷重変動も大きいために、走りが安定しない。

 トルク不足を指摘したエンジンだが、回転振動は滑らかで質感は高い。トランスミッションはリニアトロニックと呼ばれるCVTで、これも回転だけが先行して上がるようなこともなく、パドル操作による擬似的なステップ変速もスムースで、ドライブトレイン全体の上質さは評価できるものだ。

 このドライブトレインに加えて、プアなタイヤがある意味で奏功し、コンフォート性、静粛性は高く、街乗りなどのシーンを想定する限り、優れた乗り味だろう。

 また、冒頭で評価したボディ剛性は、ワインディングでも十分な強さが確認でき、ダイナミクス性能を十分に支える領域のさらに1段階上の剛性を確保することで走りの質感を高められる、ボクが振動剛性と呼ぶレベルにまで達している。これならば、より重くパワフルなフルHVでも十分だろう。

 ブレーキについても触れておこう。踏力に対する減速度はリニアで、タッチやフィーリングなども素晴らしいものであった。また、あまり絶対的なグリップの高くないオールシーズンタイヤがある意味功を奏した面もあるが、かなり気温の高い夏の試乗日に長いワインディングを走行しても、ローターの温度上昇による減速度の変化が小さい点も評価できる。

 まとめよう。もっとも強く指摘したい改善点は、反力の発生しないサスペンションだ。各メーカーの日本車がどんどんよくなっているタイミングだけに、この古い考え方のサスペンションでは取り残されている感がある。もっとファンを納得させるクルマにすべく、すぐにでも見直してほしい。

※本記事は雑誌「CARトップ2025年10月号」の記事を再構成して掲載しています

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