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「特殊車両誘導中」のクルマに止められた! じつは法的義務がないが絶対に譲るべき理由

この記事をまとめると

■誘導車には警察官のような交通整理の権限はない

■大型特殊車両の周囲を確認し運転者へ情報を伝える

■停止や後退の合図は強制ではなく協力を求めるもの

誘導車にクルマを止める権限はある?

 道路を走っていると、「特殊車両誘導中」などと表示した乗用車やワゴン車が、大型トレーラーの前後を走っていることがある。これは巨大な機械や建設資材、重量物を運ぶ特殊車両に同行する「誘導車」だ。では、この誘導車が赤い誘導棒を出して一般車に停止を求めた場合、警察官のようにクルマを止める権限があるのだろうか。

 結論からいえば、誘導車の運転者に警察官と同じ交通整理の権限が与えられているわけではない。道路交通法では、警察官や交通巡視員が手信号などによって交通整理を行い、道路利用者はその信号に従わなければならないとされている。一方、国土交通省の特殊車両の誘導ガイドラインで示されている誘導車の役割は、周囲の交通状況や道路形状、駐車車両、工事箇所などを確認し、その情報を特殊車両の運転者へ伝えること、そして周囲のクルマに注意を促すことである。

 特殊車両は、車体の長さや幅、重量などが一般的な制限を超える場合、道路管理者の許可などを受け、条件を守って通行する。交差点や狭い道路、橋梁などでは誘導車の配置が条件になることがあり、現在は条件に応じて基本的に前方または後方に1台を配置する運用となっている。この1台運用は、国土交通省が定める講習を受講した者が誘導車を運転することを前提としている。

 では、誘導車そのものにはどのような条件があるのか。国土交通省のガイドラインでは、誘導車には特殊車両を使用せず、対向車や後続車から一見して「誘導中」であることがわかる表示を行うこととしている。表示方法は、緑色灯(回転するものを含む)を装着するか、標識を取り付ける、またはステッカーを貼る方法である。緑色灯を使う場合は地方運輸局長による基準緩和の認定が必要となるため、「誘導車なら緑の回転灯が必須」というわけではない。さらに誘導車は、昼夜を問わず前照灯を点灯して走行する。

 運転者についても条件がある。誘導車を運転する者は、国土交通省が提供するオンライン講習、または国土交通省が認めた講習を受け、受講修了書の発行を受ける。誘導業務を外部へ委託する場合には、特殊車両を通行させる側が、誘導車の運転者の受講修了を必要に応じて確認できるようにしておく必要がある。講習を受けていない者が、講習受講者を前提とした誘導車1台の条件で誘導した場合は、通行許可の条件違反となり、行政指導や罰則などの対象となり得る。

 また、単に前後を走ればよいわけでもない。誘導開始前には、予定する通行経路、通行条件が付されている区間、誘導車を前方から後方へ入れ替える地点、休憩場所、連絡方法、積載貨物の特性などを特殊車両の運転者と確認する。走行中も、許可車両と誘導車は無線や携帯電話などを使い、道路交通法に反しない方法で常時連絡できる状態を確保しておくことが求められている。

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