
この記事をまとめると
■若い女性が乗りたいクルマは軽やコンパクトだけとは限らない
■存在感や安心感を重視してクルマを選ぶ人が増えている
■ブランド力も女性ユーザーを引きつける要素といえる
「なめられたくない」からSUV
筆者は普段なかなか若い女性と気軽に話す機会がないのだが、たまに若い女性と話をする時は、筆者の仕事柄もあるのか、自分が運転したいクルマというテーマになることがある。
最近、ふたりの若い女性から自分が所有したいクルマについて聞くことができた。ひとり目はレンジローバー、そしてふたり目はトヨタ・ランドクルーザー300とのことであった。インターネットで「女性向けのクルマ」といったキーワードで検索すると、そこに登場してくるのは軽自動車やコンパクトハッチバック、コンパクトクロスオーバーSUVといったジャンルのモデルが登場していた。
筆者が聞いたのは特別な話だったのだろうか、それとも世間が「女性=小さくかわいいクルマ」という固定観念を植え付けようとしているのかは定かではないが、世間が一般的にイメージする女性向けのクルマと、若い女性が現実的に乗りたいと思っているクルマには、乖離が目立ってきているのではないかと筆者は考えている。
以前、やはり若い女性に乗りたいクルマはあるのか聞くと、「BMW X3を所有したい」と答えてくれた。SUVを選ぶ理由については「腰高スタイルなので視界が広く、存在感があるので運転していてもなめられない」とのことであった。
筆者の実家にて以前セカンドカーで軽自動車を所有していたことがある。少々昔の話となるので、典型的な「お買い得女性仕様車」であった。実際運転していると、脇道から直前にクルマが進入してきたりすることも頻繁にあり、普段登録車を運転している時とは異なる「なめられているな」という気分をもったことを記憶している。令和のいまでは男女平等社会が浸透してきたともされるが、まだまだ女性から見れば男性になめられているという印象をもつシチュエーションは多いものとも考えている。
「女性だからかわいいスタイルでボディの小さいクルマがよく似合う」という一般論は日本独特の視点ともいっていいものだ。日本の影響か東南アジアあたりではかわいいコンパクトカーに好んで若い女性が乗るということも起こっているが、さらに視野を広く世界を見れば、男性になめられないためにも、できるだけ大きくエッジの利いたクーペやクロスオーバーSUVなどに好んで乗るキャリアウーマンも多い。
家庭をもっている女性では、家庭のマイカーがアルファードのようなフルサイズミニバンであると、最初こそ大きさに驚くこともあるようだが、以降はアルファードより小さいクルマは運転したくないというケースもあるようだ。
そもそも、大きいクルマに乗りたい、小さいクルマに乗りたいという趣向性の違いは女性だけではなく、男性でも同じように存在している。ただあまりにも固定観念として「女性=小さいクルマ」というものが旧来の日本社会では定着してしまっているのは間違いない。多様な価値観のなかで育ってきた現代の若い女性の間では、そのような固定観念に振りまわされることなく、自分の好きなクルマに乗りたいと考えるひとが増えてきているようである。
また、レンジローバーやランドクルーザーという車名が出てくるのは、ブランドバッグをもつことと感覚は似ているようにも感じている。長い間継続的にラインアップされてきているだけではなく、世界のVIPにその高い性能への信頼のなか愛用されてきている。そのようなことも若い女性を引き寄せているのかもしれない。
