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【試乗】日本のミニバン&商用車と戦わない独自路線! 韓国KIAが放つ万能BEV「PV5」は遊びも仕事もOKな楽しすぎる1台だった (1/2ページ)

【試乗】日本のミニバン&商用車と戦わない独自路線! 韓国KIAが放つ万能BEV「PV5」は遊びも仕事もOKな楽しすぎる1台だった

この記事をまとめると

■KIAの日本市場参入第1弾として商用と乗用に対応するBEVのPV5が登場

■シャシー性能や扱いやすい走りを備え実用性を重視した電動バンに仕上がっている

■モジュール化された車体で仕事や家族旅行など幅広い用途への展開を目指す

初上陸のKIAが日本市場に提案する新しい電動バン

 韓国の自動車メーカー、KIAがいよいよ日本市場へ本格参入する。その第1弾として導入されるのが「PV5」だ。SUVでもセダンでもなく、商用から乗用まで幅広い用途に対応するBEVを選んだところが興味深い。

 KIAはヒョンデ・モーター・グループの一員で、グループとして世界トップクラスの販売規模を誇る。個人的には以前からKIAのデザインには注目していた。海外で見かけるKIAには、セダンのK5をはじめ「なぜ日本で売らないのだろう」と思わせる魅力的なデザインのモデルが少なくない。先進的でありながら奇をてらいすぎず、クルマ好きにも響くデザインを作るメーカーという印象をもっている。

 そのKIAが日本への第一歩として送り込むPV5も、実車を見るとなかなか格好いい。PV5はKIAが「PBV(Platform Beyond Vehicle)」と呼ぶ新しいカテゴリーの第1弾だ。専用EVプラットフォーム「E-GMP.S」を基礎とし、モジュール化されたボディによって乗用から物流、配送、キャンピングなど、多様な用途への展開を可能としている。すでに世界50カ国以上へ展開され、欧州でも電動バンとして実績を積んでいるという。

 今回、箱根の一般道で、乗用仕様の「パッセンジャー」と商用仕様の「カーゴ」にそれぞれ試乗することができた。

 ボディサイズは全長4695mm、全幅1895mm、全高1925mm。ホイールベースは2995mmだ。スクエアなワンボックススタイルなので大きく見えるが、実際に運転すると意外に扱いやすい。最小回転半径も5.5mに抑えられている。バッテリーは71.2kWhのロングレンジと51.5kWhのスタンダードを設定。パッセンジャーの一充電走行距離はロングレンジが521km、スタンダードが377kmとなる。

 まず乗ったのは5人乗りのパッセンジャー・ロングレンジだ。走り出して最初に感心したのがフロントサスペンションだった。形式はダブルウイッシュボーン。ロワアームやアップライト、車体側アームマウントをアルミダイキャスト化していて、このクラスとしては贅沢な作り込みが見られる。

 着座位置もアイポイントも高いクルマなのだが、ワインディングへもち込んでもロールが少なく、ライントレース性はスポーティカー並み。ステアリング操舵フィールも安定しているのは驚かされる。それでいて単純に足を硬くして姿勢を抑えている感じではなく、旋回中の内輪もしっかりと路面を捉えている。

 商用車をベースとしたクルマだから走りはほどほどだろうと思っていたが、ステアリングプレシジョンに優れ、狙ったラインに乗せやすい操縦性にはよい意味で予想を裏切られた。ボディの剛性感も高く、サスペンションをきちんと仕事させている。ただ、トーションビーム式のリヤサスペンションは商用バンの足そのままの動きで、乗り心地的な前後バランスはややアンバランスだ。

 試乗車の車両重量は2140kg。最高出力120kW、最大トルク250Nmのモーターで前輪を駆動する。スペックだけを見ればBEVとして突出したものではないが、箱根の登りでも力不足は感じない。好印象なのは、EVにありがちな過剰なトルクの立ち上がりがないことだ。アクセルを踏み込んだ瞬間に乗員の身体を揺さぶるようなジャークが抑えられ、必要な駆動力を滑らかに引き出せる。人だけでなく荷物を運ぶことも重要な使命となるPV5には、この扱いやすさのほうが適している。速度制限の厳しい日本の一般道に適した「わきまえた性能」に、むしろ好感を覚えた。

 回生ブレーキはステアリングのパドルで調整でき、強めればワンペダル感覚でも走れる。下り坂の多い箱根では速度をコントロールしやすく、回生ブレーキのよさを改めて感じた。

 乗降性もよく考えられている。高電圧バッテリーやスライドドアレールの配置を工夫することで、2列目のサイドステップ高は399mmまで低くされている。スクエアなボディによって後席、荷室とも広く、将来的には3列シート仕様も用意されるという。

 一方、乗用ミニバンとして見ると、後席サイドウインドウの開口量が小さいことや、後席を倒しても完全なフラットにならないことなど、もうひと工夫ほしい部分もあったが、これらはカスタムメーカーとコラボして、車中泊も可能な用品までキット化し用意されている。

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