
この記事をまとめると
■WEB CARTOP編集部の部員が軽耐久に参戦
■福島県のリンクサーキットで「NK7」が開催された
■NAの軽自動車にスタッドレスタイヤを装着して7時間を走る耐久レースだ
軽耐久に緊急招集!?
2026年の初夏ごろだっただろうか。筆者の友人からいきなり「8月2日、リンクサーキットに来い」との号令が。これだけじゃいくらなんでも意味がわからない。リンクサーキットというのは、福島県のほぼ中央より少し上の福島市にある、いわゆるミニサーキット。筆者は行ったことこそなかったが、ドリフトの走行会などがよく開催されており、そこに行っている人の投稿をSNSなどで見ているので、存在くらいは知っていた。
ただ、友人からなので仕事ではないのは間違いない。問い詰めると「軽耐久をやるから来い」とのことであった。それはちょうどいい。10月には業界の運動会、メディア対抗ロードスター耐久レースが富士スピードウェイであるので、腕慣らしも兼ねて行こうではないか。というわけで筆者が今回参加したのが、リンクサーキット主催の軽耐久レース、NK7だ。レースの詳細は後ほど。
加わったチームは、とある大学の自動車系サークルのOBたちと現役生たちで構成されたチームで、平均年齢はおおよそ28歳程度だろうか。筆者はここの大学出身でもなければサークルともなんら関係がないのだが、クルマ好きの謎コミュニティを介して、いつの間にかこのような形で近づくことになった。なお、誘ってきた友人もクルマ好き経由で彼らと繋がった部外者であり、同じく参加することになった筆者のまた別の友人も、この大学ともサークルとも全然関係がない。いわば多国籍軍といった感じだ。
レース前までに、当然あれこれ車両をメンテナンスするわけだが、今回我々が使用したクルマは、スズキ・アルト。通称HA23V(クルマ好きからは23Vと呼ばれている)で、1998年から2004年にかけて生産された5代目モデルだ。いまではすっかり高騰してしまったが、数年前までは軽耐久レースの常勝マシンであった。このほかには、ホンダのトゥデイやダイハツのエッセも定番車種だが、安さがメリットな軽自動車においてはやたら高いのでこのあたりの軽マシンは高級車という扱いだ。なので最近ではダイハツ・ミラ(L275系など)がよく使われている。
で、この某国民的猫型ロボット感ある見た目から、我々は「ドラ○もん※著作権の都合から一部伏字」と呼んでいたほか、過去に彼らが参戦したレースでも実況からそう呼ばれていたそう。ロールケージやバケットシートにハーネスなど、走るために必要な装備もついたナンバー付き車両。クルマのオーナーはレース当日、神奈川県から福島まで自走で運ぶというのだから恐れ入る(ちゃんとエアコンは動く模様)。
レース当日。参加チームは東北エリアを中心に22チームがやってきた。見た感じ、ミラやアルトが多くを占めており、三菱のミニカもちらほら。ここで簡単にNK7のレギュレーションを説明する。
まずこのレース、使用できるのはNAエンジンの軽自動車のみ。吸排気や足まわり程度の変更は可能だが、LSDの装着やECUの書き換えはNG。AT/MTは問わない。で、次が重要でなんとこのレース、使用できるタイヤは一律前後スタッドレスタイヤのみ、サイズは165幅以下・扁平は60以上の14インチまでとなっているのだ。つまり、真夏なのにスタッドレスタイヤで走りまわらねばならないのだ。
仕事柄、冬にスタッドレスの試乗などはやっているが、それは雪の上での話。サーキットにおけるドライグリップの性能なぞ知る由もない。リンクサーキットの支配人の大内さんは、「その辺に転がってるゴミになりかけのスタッドレスや安いスタッドレスで走れたら、お金かからなくていいんじゃないか? ってことでこうしました」と語る。我々は、どこから仕入れた情報なのか、「ヨコハマのアイスガードがドライは食うしライフも長いぞ!」という出所不明の謎エビデンスを信じ、新品のアイスガードIG70を2セット用意した。
なお、このNK7というレース名は「ノーマル、NA、肉の『N』、軽自動車の『K』、7時間スタッドレス耐久の『7』」でNK7となる。つまり、真夏にスタッドレスタイヤでNAの軽自動車をサーキットで7時間も走らせるという、自動車メーカーもタイヤメーカーもビックリなレースである。そしてここまで読んで引っかかるはず……そう、「肉」ってなんだ? である。
じつはこのNK7、レース中に各ピットでなんとBBQができてしまうのだ! 「サーキットでBBQとか正気か!?」と思うかもしれないが、火を起こす場所と給油などを行うピットは端から端と離れており、調理したり飲み食いする場所もコンクリートブロックの内側なので安全上の問題はない。
大内さんは開会式を「NK7は軽耐久と言いながらもBBQがメインなので、皆さん安全に楽しくやりましょう」という挨拶で締めた。もう何が何だかわからんぞ!?
あ、そうそう。このNK7、いわゆる草レースだが、なんと賞金が出る。エントリーフィーは1チーム5万円。1位は10万円なので参加費だけの話で言えば勝てば儲かるのだ! 2位は7万円、3位は5万円となる。8位まで賞典がある。
NK7では、7時間の間で5名のドライバー交代が義務となる。それに対して我々は13名いる。もちろん全員走る……と思いきやここで3名が、「あ、俺はいいっす」「俺はBBQで肉焼いたりカレー作るのを真剣にやります」「監督するんでクルマを見守ります」とまさかの出走拒否。なんと10名で戦うことになった!
