
この記事をまとめると
■トラックのエアサスは乗り心地の改善だけでなく荷物の保護にも貢献
■後輪を上げれば現場での車体接触を防ぎ下げれば荷下ろしを助ける
■冷凍車の排水作業にも活用されドライバーの負担軽減に役立っている
トラックならではの意外な活用法
もともとは重量に強い板バネと呼ばれるサスペンションであったトラックの世界でも、現代ではエアサスが一般的となってきた。乗り心地がよくなりドライバーの負担を軽減させることはもちろん、荷台に積まれた荷物の破損防止にもエアサスは大きく貢献している。
そんな便利なエアサスであるが、トラックでは後輪部分を上げたり下げたりする機能も装備しており、それがまた、ドライバーの負担を大きく解消している。今回は、トラックドライバーによるエアサス活用法をいくつか挙げてみたいと思う。
まずは、後輪部分を上げる場合。大型トラックの世界では、大きな積載能力をもつ低床4軸車が増えている。大型トラックの最大地上高は3.8メートルと定められているため、小径のタイヤを履かせて荷室の床を低くした低床4軸車が人気を集めているのだ。
そのような車体であれば、後輪より後部のオーバーハングも自ずと低くなる。現場に出入りする際に後部が地面に接触する恐れが生じるため、状況に応じてエアサスを上げて進入するというわけだ。エアサスは停車時か低速走行時でしか作動させることができないため、現場を確認しながら進入直前にエアサスを操作するのである。
そうして考えると、後輪部分を下げる意味がないのではないかと思われるかもしれないが、荷物を下ろすときに重宝される。冷凍車にもっとも多いのだが、荷台の床にジョルダーと呼ばれるパレットを移動させる装備が備えられている場合、エアサスで後輪を下げると車体の後部が下がるため、荷下しの際ジョルダーを動かす労力が軽減される。
逆に荷物を積み込む際には後輪のエアサスを上げ、ジョルダーを使いやすくするというわけだ。そして箱の内部を洗う場合でもエアサスを使えば、水はけをよくすることができる。冷凍車には箱の床面四方に排水口が備えられているため、エアサスで角度をつけることによって水を排水しやすいように流すというわけだ。そのように、エアサスはトラックドライバーの強い味方となっているのである。
年々便利になるトラックたち。なかには安全という歪んだ大義名分とともにドライバーにとっては迷惑ともとれる不要な装備も増えているが、これからも少しでも快適な環境になることを願いたい。
