この記事をまとめると
■トラックの荷室は荷物を積んでも隙間ができることが多い
■荷崩れを防止するために「ダンネージエアバッグ」というアイテムが存在する
■膨らませるだけでは効果を発揮できないので使い方には工夫が必要だ
荷物を守る「ダンネージエアバッグ」とは?
「エアバッグ」と聞けば、多くの人が事故の際に膨らんで乗員を守る安全装置を思い浮かべるだろう。しかし物流の世界には、まったく別の目的で使われるエアバッグがある。それが「ダンネージエアバッグ」だ。トラックの荷室や海上コンテナなどで荷物と荷物の間に挟み込み、空気を入れて膨らませることで、輸送中に荷物が動くのを防ぐための資材である。
トラックの荷台いっぱいに荷物を積んだように見えても、荷物同士の間にはわずかな隙間ができることがある。パレット積みされた段ボール箱などでは、荷室の幅とパレットの寸法がぴったり一致するとは限らない。積み合わせる荷物の大きさが違えば、さらに大きな空間が生まれることもある。この隙間をそのままにして走行すると、発進やブレーキ、カーブなどのたびに荷物が動く可能性がある。最初は数センチの動きでも、繰り返し揺さぶられることで荷物の位置がずれ、隣の荷物にぶつかったり、パレット上の荷姿が崩れたりする。急ブレーキや急旋回ではさらに大きな力が加わるため、商品の破損や荷崩れにつながりかねない。
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そこで活躍するのがダンネージエアバッグだ。構造は製品によって異なるが、空気を保持する内袋を丈夫な外装材で覆ったものが一般的で、使用前は平たい袋状になっている。荷物と荷物の隙間へ差し込み、バルブから圧縮空気を入れて膨らませる。するとバッグが両側の荷物に密着し、空いていたスペースを埋めることで、荷物の横方向や前後方向への移動を抑える。イメージとしては、荷物の間に大きな風船を挟んで固定するようなものだ。ただし、一般的な風船とは比較にならないほど丈夫に作られており、輸送する貨物の重量や隙間の大きさ、輸送方法などに合わせてさまざまなサイズや強度の製品が用意されている。
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膨らませる際には専用のインフレーターなどを使い、コンプレッサーから圧縮空気を送り込む。空気を抜けば薄くなるため、木材などで隙間を埋める場合と比べて、使用前の保管スペースを取りにくいのも特徴だ。現場では荷物を積み終えてから隙間にバッグを差し込み、適正な圧力まで膨らませることで固定する。使われる場面はトラックだけではない。海上コンテナや鉄道貨物などでも使用され、段ボール箱を載せたパレット、袋物、ドラム缶、紙製品など、さまざまな貨物の移動防止に利用されている。
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とくに長距離輸送では、発進や停止だけでなく道路の段差、カーブ、船舶の揺れなどが何度も繰り返されるため、荷物を最初の位置から動かさないことが重要となる。