ただ膨らませればOK……ではない!
ダンネージエアバッグの利点は、単純に隙間を埋めるだけではない。袋が膨らむことで左右の荷物の面に広く接触するため、一点だけで荷物を押さえるのではなく、比較的広い面で荷重を受け止めることができる。荷物同士が直接ぶつかることも防ぎやすく、輸送中の擦れや衝撃を減らす効果も期待できる。
一方、ただ隙間に入れてパンパンに膨らませればよいわけではない。ダンネージエアバッグには製品ごとに使用できる圧力や対応できる隙間、荷重などが決められている。必要以上に空気を入れればバッグが破損する可能性があり、逆に空気が少なすぎれば荷物を十分に固定できない。貨物の重量や隙間の幅に合った製品を選び、メーカーが指定する圧力で使用する必要がある。
さらに、バッグが接触する部分にも注意が必要だ。荷物やパレットに鋭い角や突起物があれば、走行中の振動によってバッグが擦れたり穴が開いたりする可能性がある。そのような場所では保護材を挟むなど、バッグを傷つけない処置が必要になる。また、コンテナの扉付近に安易に設置すると、到着したあとに扉を開けた際、貨物やバッグから圧力を受けた扉が勢いよく開く危険があるため、設置位置にも配慮しなければならない。
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もちろん、ダンネージエアバッグだけですべての荷物を固定できるわけではない。重量物や形状によっては、ラッシングベルトや固定金具、木材などによる固縛と組み合わせる必要がある。あくまで貨物の隙間を埋め、動きを抑えるための方法のひとつと考えるべきだ。
荷台の扉を閉めれば、外からはきれいに積まれているように見える貨物。しかし輸送中の荷室では、発進、制動、旋回、路面からの振動によって荷物にさまざまな方向の力が加わり続けている。そこで重要になるのが、積んだ荷物を動かさないという考え方だ。空気を入れた袋を荷物の隙間に挟む。
一見すると非常に単純な方法だが、その空気が荷物同士の動きを抑え、荷崩れや破損を防いでいる。乗員を守るクルマのエアバッグとは目的も構造も異なるが、ダンネージエアバッグもまた、輸送の安全を支える物流現場ならではのエアバッグなのである。