
この記事をまとめると
■クルマがグリップして走れるのは路面とタイヤの摩擦が関係している
■一部の路面では道路側に加工を施してグリップ力を高めている
■「ケーズル工法」「ニート工法」などについて紹介する
クルマではなく道路側で滑らない工夫がされていた
舗装路は、路面とタイヤの摩擦によって適正な速度で走れるため、滑りに対処するための滑り止めをあえて施すことは通常ない。それでも、タイヤの滑りによる交通事故はあとを絶たず、路面に滑り止めを施す必要性について、国土交通省は目安を設けている。
道路の勾配が7度(°)以上の場合/カーブの曲率が非常に小さい場合/勾配やカーブの曲率によって、運転者が先を見通しにくい場合/鉄道が近くを走り、滑りによって事故の可能性が考えられる場合/日影が多く、路面が濡れる状況の頻度が高い場合/滑りによる事故が多い箇所などが、考慮すべき条件として挙げられている。
滑りの予防対策として、凹凸や溝を路面に設けるのが従来からの手法だ。その溝が水はけの役割を兼ねている場合もある。
路面に凹凸をつける方法については、既存の道路にあとからドーナツ状の溝をつける工法がある。ケーズル工法と呼ばれ、専用の工具を使って作業をする。作業員がひとつひとつ丸い溝を掘っていくため、狭い道でも加工できる。工事期間を短くできるのも特徴だ。
車道だけでなく、歩道や自転車道などにも利用されているのがニート工法だ。これは、路面に樹脂系の結合剤を接着剤として塗布したあと、硬質の骨材を散布する方法である。表面の色に選択肢があり、たとえば赤っぽい褐色や青などは、比較的よく目にする色ではないだろうか。
色わけできることにより、滑り止めの効果だけでなく、右左折や進行方向の区わけなどに色違いを用い、進むべき車線を運転者が間違えにくくする効果も期待できる。
橋梁や高架などでは、地震の揺れや四季の変化による温度差に対処するため、路面につなぎ目を設けている。フィンガージョイントと呼ばれ、フォーク(あるいは指を広げた様子)のような形のつなぎ目が金属でつくられている。アスファルト舗装などに比べタイヤが滑りやすく、とくに雨天ではより滑りを誘発しやすい。
そこで、金属に表面加工を施し、滑りを抑えている。
構成する原子が不規則に並ぶことで滑り止め効果をもつアモルファス合金を、継ぎ目の金属の表面に吹き付けたり、高硬度のアルミナ粒子(酸化アルミニウム)を圧着したりする方法がある。後者のアルミナ粒子の圧着は、錆止め効果もあるという。
以上のような滑り止め加工は、事故予防のため必要なカ所に施されるが、それでタイヤが滑らなくなるわけではない。たとえば、速度が高くなる高速道路の橋梁部分などで用いられる金属製のつなぎ目では、雨の日などには滑りが起きて、車両安定制御が働くこともある。クルマ側の予防安全装置が働くことで大事には至らなくても、滑った事実に変わりはない。
一般道を含め、滑り止めが施された路面では、それをひとつの合図と考え、速度を少し下げて用心しながら通過するのが無難だ。
