この記事をまとめると
■コンパクトカーは昔と比べて車種が減っている
■三菱のミラージュもかつてはコンパクトカー界の人気モデルであった
■初代ミラージュなどにあった8速MTについて解説する
昭和に8段変速のMT車があった!?
日本のコンパクトカー市場は、気づけばすっかり寂しいものになってしまい、その代役はコンパクトSUVたちが担うようになってきた。しかし、今から20年ないし30年ほど前まで振り返れば、日本の各自動車メーカー、それこそ全社からコンパクトカーが数多く販売されていた。
実際、今でもコンパクトカーをラインアップしているメーカーもあるが、車名に関してはすっかり変わってしまっている。トヨタのスターレットはヴィッツ、そしてヤリスに、ホンダのシビックはフィットへ、日産マーチは最近まであったが、その枠はノートが担っている。
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そんなコンパクトカーシリーズのなかで忘れてはならない1台が、1978年にデビューした三菱のミラージュだ。このクルマはアメリカへの輸出を重視したモデルで、当時の日本車は「コンパクトで低燃費で壊れにくい」というのが特徴だった。それを反映したのが初代ミラージュであった。
その後は国内トップクラスのレーシングドライバーなどが参戦した、「ミラージュカップ」なるワンメイクレースなどを展開したほか、1.6リッターのエンジンを搭載していただけに、ジムカーナやダートトライアルなど、国内Bライセンスで楽しめる競技において、シビックやレビン、トレノのライバルとして愛された。
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しかし、時代の流れからか、2000年にミラージュシリーズは終了し、三菱の国内ラインアップから消滅。その後しばらくの冬眠期間を経て、2012年からタイ生産モデルが6代目として国内に上陸し復活。2023年まで販売された。
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と、ざっくりミラージュの変遷を辿ったが、今回紹介するのはその歴代モデルにおける初代に搭載された”超”ユニークな機能だ。ミラージュには、ホンダのVTECエンジンに似た、可変バルブタイミング機構を搭載したMIVECエンジンが有名だがこれじゃあない。
ではなにか。なんと初代ミラージュ、トランスミッションが衝撃の8速MTなのだ! この時代、4速MTが当たり前で、高性能モデルでもせいぜい5速、現在においては6速MTが主流で、ポルシェでもやや特殊だが7速MTが精一杯。なのに1978年、しかも大衆コンパクトカーのミラージュで8速MTとはどういうことなのか。
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この仕組み、「なんだ!?」と思うかもしれないがじつは超シンプル。というのもこの初代ミラージュには、三菱が当時開発した「スーパーシフト4×2」という機能が搭載されている。これだけ聞いてもよくわからないと思うが、仕組みはシンプルで「×2」の部分が副変速機となっているのが特徴だ。「パワー(Low)」と「エコノミー(Hi)」という構成で、パワーが欲しいときは前者、燃費重視は後者に副変速機を入れると、それに準じたギヤ比になるというユニークなものだ。
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つまり、Hiで4速、Lowで4速、合計8速というのがこのシステムの答えだ。なので、1〜8速がパターンに刻まれているわけではなく、この時代一般的であった4速MTが2パターンで使えた。4速×2段で8速、これがミラージュに搭載された8速MTの正体だ。
ちなみにこの「スーパーシフト4×2」というユニークな機能はミラージュに搭載されただけでなく、「コルト」や「コルディア」、「トレディア」「シャリオ」など複数の三菱車に搭載され、1990年ごろまで存在していた。しかし、仕組み的には走行中に操作できたものの、多くのユーザーは基本的にどちらかに入れっぱなしで、頻繁に切り替えて操作するのは、そもそも物理的(配置的)に難しかったといわれている。当時使っていた人も「いうほど変わらなかった」「速くなかった」と語っている。
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ランドクルーザーやジムニー、パジェロのような4WDへ切り替える際の副変速機とは違い、世界的にみても珍しいMT用の副変速機だが、似たような機能としてはホンダ・シティ(Rタイプ/ハイパーシフト仕様車)でも2〜4速にアクセルの踏み加減でHiとLowが切り替わる副変速機が備わっていた。しかし、ほとんど普及しなかったのが、世界の答えかもしれない。
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