
※本記事は雑誌「CARトップ2024年10月号」の記事を再構成して掲載しています
AMG GT63クーペの安定感はサスガのひと言
今回はメルセデスAMG GT63クーペとレクサスLC500コンバーチブルの2台。両車ともに流麗なクーペボディにV8エンジンを搭載しているのが共通点。だが、レース好きの読者ならこの2台はスーパーGT・GT300クラスに参戦のライバルだと気づくだろう。編集部もそういう意図をもって組み合わせたらしいぞ。
まずはAMG GTに乗り込む。前後トルク配分を連続可変できる4マチック+をGTクーペとして初めて採用したモデルとのこと。4リッターV8ツインターボから繰り出される585馬力/800Nmものエネルギーを受け止める心強い4WDシステムだ。ちなみに搭載されているM177型エンジンはAMG 63シリーズに採用されているが、インタークーラーの搭載位置を変更するなど、数多く手が加えられているようだ。
試乗はダイナミックセレクトの「コンフォート」からスタートし、「スポーツ」「スポーツ+」、最後には「レース」モードも試してみた。ロールやギャップのいなし方、アクセルレスポンスなどで各モードそれぞれが異なるキャラクターを見せるが、パワーとトルク、そしてサスペンションが高い次元でバランスしているんだ。
とくにオレには”フロントが裏切らない”と感じられて、安心してコーナーに入っていける。これは完全FRになる「レース」モードでも同じだった。このモードならドリフトだってできちゃう……もちろん公道ではやらないけどね。
4WSもアシストする脅威のハンドリング性能
もうひとつメルセデスが「リア・アクスルステアリング」と呼ぶ4WSも、ワインディングでのコーナリングに大きく貢献していた。最小回転半径の数値は公表されていないようだが、全長4730mmのボディで”ずいぶん小まわりが利く”と感じられた点も付け加えておく。
高出力とシームレスな9速AT、さらに卓越したサスは高いボディ剛性と相まって申し分なし。スタイルもカッコいいし、居住空間も含めて文句のつけようがなかった。
このGTクーペは2シーターが標準だが、試乗車はオプションの2+2で後席を装備していた。しかもリクライニング機能を備えているので、「コンフォート」モードを選択すれば、ちょっとしたファミリードライブも可能だろう。オレは以前にもGTクーペに試乗しているが、相変わらずいいクルマだった。2750万円というプライスも納得させられる出来栄えだ。
LC500は流すのにぴったりなGTカー
次は1550万円のLC500コンバーチブル。こちらは5リッターだが、NAだからツインターボ分の価格差かな(笑)。LC500にはクーペボディもあるが用意されたのはオープンモデル。以前クーペには試乗した経験があるが、コンバーチブルは初めてだ。
改良モデルではエンジンマウントの特性を変えたほか、コンバーチブルではさらにボディ剛性の向上も図り、乗り心地と操安性に磨きをかけてきたと聞く。
こちらのデザインも、GT63と同様にいい感じだ。インテリアではブルー&ホワイトのカラーコーデがオシャレ。走行モードセレクトで表示を変えるメーターもシンプルで見やすいぞ。
ワインディングに繰り出しても、そつなくこなすのは言うまでもない。アクセルペダルを踏み込めば4000rpmあたりから力強いサウンドを響かせ加速。ブットいトルクでドカンと加速するGT63のようにはいかないが、10速ATとのマッチチングもスムース。
全体的に走りの印象は優雅で、ステアリングフィールやロール感でもGT63とは異なるキャラクターを感じた。たとえば、ルーフを開放し、海辺を流して走るようなレクサス発祥の地であるアメリカの風景が思い浮かんでくる。GT63がサーキットをガンガンかっ飛ばすのが似合うストレートなスポーツカーイメージなのに対し、LC500は大人のグランドツーリングカーといった印象だった。
同じ5リッターエンジンを搭載するクーペでもこれだけキャラクターの異なる2台が、GT300の舞台で競っているのも面白いよな。
※本記事は雑誌「CARトップ2024年10月号」の記事を再構成して掲載しています
