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史上初のドリフト世界一決定戦はR35GT-Rを駆る川畑真人選手がチャンピオン

史上初のドリフト世界一決定戦はR35GT-Rを駆る川畑真人選手がチャンピオン

レグ2はロシアのアルカーシャ選手が優勝し、表彰台はトーヨータイヤが独占

 9月30日(土)、10月1日(日)の2日間に渡り開催となったFIA インターコンチネンタルドリフティングカップ(東京お台場特設会場)。2日目となる10月1日も前日同様好天に恵まれ、レグ2が行われた。

 ドリフト競技といえば、現在、世界40か国以上で開催されているが、この盛り上がりに対し、世界の選手権大会を認可しているFIA(国際自動車連盟)も動き出し、今回、FIAのもと、F1、WRC、WEC、WTCCと同様に行なわれる、FIA公認の史上初のドリフトイベントとなる。このドリフト競技発祥の地・日本での史上初のイベントには、14の国と地域から集結した24名がエントリーし、この2日目も23名が参戦となった。

 基本的に、競技内容及び進行はレグ1と同じ。単走での競技があり、その単走での上位16名によるトーナメント方式の追走が行なわれる。追走は前後を入れ替えて2本を走行、その得点を競い、勝ち上がっていくというもの。

このイベントは両日ともに好天に恵まれたが、この日は前日より若干気温は上昇し、路面温度も上がった。しかし決勝へと進むにつれて上空には雲が増えていき少し風も出るという、これまた前日同様の展開となった。

開会式では、前日同様オペラ歌手の小川里美さんによる国歌斉唱があり、この大会の名誉顧問に就任しているドリキンこと土屋圭市さんの開会宣言でイベントはスタート。

この日の単走セッションは、前日のレグ1の順位で、順位の低かった選手から走行スタート。それゆえセッションが進むにつれて、この週末好調な面々が高得点をかぶせていく展開となった。

 1本目に99点台を出したのが、前日3位のアルカディ・サレグラセブ選手(アルカーシャ/#20 PRIMRING TEAM WITH TOYO TIRES/日産スカイラインR34)の99.21点。前日単走の勝者、100点超えの走りを見せた齋藤太吾選手(No.10 WANLI Fat Five Racing/日産GT-R)は98.68点にこれに届かず。そしてレグ1追走優勝の川畑真人選手(#13 TOYO TIRES GLION TRUST RACING/日産GT-R)は一本目から速くて見事な単走を見せ、得点は99.70点。しかしラインカットで2点の減点となり、この時点での暫定順位は8番手どまり。

続く2本目では、横井昌志選手(#12 D-MAX/日産シルビアS15)が、しっかりと角度をつけたドリフトで1本目トップのアルカーシャ選手のポイントを上まわる98.34点を獲得しトップ浮上。

 その後この点数を上回る選手は出てこず、横井選手が単走優勝を果たす。「練習から調子はよかっただけに、やっと点数出てよかった」とコメント。川畑選手は4位、齋藤選手は5位。そして、現在D1ではポイントリーダーでありながら、この週末はどうも波に乗り切れていない藤野秀之選手(#11 Team WISTERIA TOYO TIRES/日産180SX)が7位で単走セッションを終えた。

 2日間の結果で総合の勝者が決まる今回のイベント。総合優勝を狙う川畑・齋藤選手にとって、追走結果がレグ1とひっくり返ってもし同点になった場合、この単走の結果が重要となる。なんとしても齋藤の上を行かねばならない川畑は、その後の走りでなんとか上を目指し齋藤の前でフィニッシュできたことで、とりあえずひと安心といったところだ。

追走トーナメントでは、ベスト8を決める1回戦は順当に単走上位選手が勝ち上がり、続く2回戦目で、前日の決勝のカード(川畑vs齋藤)が登場した。同じR35 GT-Rというパッケージながら、トラストvsHKSであり、トーヨータイヤvsワンリというこの対決。川畑選手が先行での1本目は、川畑選手がよいスタートを決めて、齋藤選手は一瞬離され、それを挽回するもリズムを崩してしまって勝負にならず、という展開で、まずは川畑選手がリード。先行・後追いを入れ替えての2本目は、齋藤選手のマシンに駆動系トラブルが発生し、あっけなく川畑選手の進出が決定した。

 レグ1で3、4位であったアルカーシャ選手とジョージ・チヴシャン選手(ゴーチャ/#19 PRIMRING TEAM WITH TOYO TIRES/日産シルビアS15)も勝ち上がり、結局、前日と齋藤選手と横井選手が入れ替わっただけの顔ぶれでのベスト4進出となった。

セミファイナルは日本人同士とロシア人同士の対決。まず、横井選手と川畑選手の対戦では川畑選手がしっかり詰め切って、川畑選手の後追いで2ポイントリードで勝敗が決まった。また、ロシア人同士の対決では、これぞ「ザ・追走」という感じのきれいで見事な追走を見せてくれた。2本走行の1回では勝負はつかず、ゴーチャ選手がウォールに当たりながらもまったく動じないような走りを見せた激しい追走を制したのはアルカーシャ選手。「1位しか考えてない」とは、アルカーシャ選手のコメント。

そして迎えた決勝。アルカーシャ選手は18から19インチにタイヤを変更して臨んだ最後の追走。川畑選手が先行の一本目で、アルカーシャ選手がセクター2でこそ少し離されはしたものの、コーナー飛び込みで寄せて、アルカーシャ選手が0.5ポイントリード。続く2本目は後追いの川畑選手が攻め立てたものの接触で大きく減点。この判定でアルカーシャ選手がレグ2追走優勝となった。

2日間の競技が終わり、川畑選手がこのFIAインターコンチネンタルドリフティングカップの初代チャンピオンに輝いた。そして、単走総合チャンピオンは齋藤選手となった。

川畑選手は「2日間、精一杯走りました。応援してくれた皆さんありがとうございました。このFIA のドリフトの国際大会が開催されると決まったときから優勝したいとずっと思っていました。それが実現できて、この環境を作ってもらえたことに感謝していますし、すごく満足しています」とコメントした。

この日のFIAインターコンチネンタルドリフティングカップ模様は、10月14日(土)16:00-16:55(TXN6局ネット)でのテレビ放映が決定している。土屋圭市さんが出演し、このイベントの魅力を解説してくれる予定だ。

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