13歳ドリフトドライバーのリアル! 実車に乗るのはヘタしたら月イチぐらいで「シミュレーター」で腕を磨いていた

この記事をまとめると

■いまFDJではジュニアドライバーが台頭している

■FDJ2クラス準優勝を果たした中村龍輝選手は13歳だ

■トレーニングはシミュレーターがメインというイマドキなドライバーだ

雨後の筍のごとく輩出される中学生ドリフターたち

 日本発祥で、世界的にも人気のドリフト競技のうち、2014年に始まっているフォーミュラ・ドリフト・ジャパン(FDJ)の2026シーズンが開幕した。FDJクラスとともに同時開催されたFDJ2クラスには非常に若いドライバーも参戦している。この開幕戦だけみても、茂木真那斗選手やHINATO選手など、2000年代生まれどころか2010年代生まれの中学生ドライバーが参戦しているのだ。

 FDJ2クラスの上にあたるFDJクラスで昨年シリーズランキング2位を獲得した箕輪大也選手は親子で7歳からドリフトを始め、現在16歳だが、今シーズンはラリードライバーを目指し海外に拠点を移している。ひと昔前なら、レーシングカートから初めて免許取得と同時に4輪デビューという流れがあったと思うが、現在では免許取得のはるか前から実車での走行も行っている。

 ということで、このFDJ第1戦富士に親子で参戦し、FDJクラスで優勝した中村直樹選手に、プロのドリフト選手の2世ドライバーは、親の背中をどう見てどんな感じでクルマに乗り始めたのか、話をうかがった。

 中村直樹選手の長男である中村 龍選手は2006年生まれで、現在はD1GPドライバーである。そして次男である中村龍輝(りき)選手は2012年生まれの13歳。2025シーズンFDJ3クラスチャンピオンで、今季からFDJ2クラスで闘うこととなっている。開幕戦ではマシントラブルで決勝戦をきっちり戦えなかったものの準優勝を手にしている。

「上の子(長男・龍選手)が実車に乗るきっかけとなったのは、(龍選手の)ひとつ年上のレースをやってる子がドリフトを教えてくれってきたことなんですよ。で、その子に教えてたときに、あれ? うちの子と変わらんちゃうん? ってことで、初めてクルマに乗せたんですよ。でもやっぱり自転車からクルマやったから、最初は事故が多かったんですけど。でも気合いでね、負けず嫌いなんで一気に成長しましたね。上の子はクルマを壊して上手くなってるから、事故をしないように、というのも学んできてます」

「でも龍輝の場合はシム(シミュレーター)から入って、シムで感覚掴んでて事故したら痛いっていうのもわかってるんで、本人の性格的にも事故はあんましてなくてね。FDJ2の若者はみんなシムで走ってるし、やっぱシムが1番いいんじゃないですかね? 親としても、怪我もそうやし、そのクルマもね、事故ったらやっぱ修理して、また走るまで時間かかるじゃないですか。シムならボタン押したらすぐに戻れる。いまはクルマも高いし、やっぱりシムで練習して実車に行ったほうがよかったですね。ウチもたまたまおもちゃ感覚でシムを買ったんですよ。でも、それがあんな効果が出ると思わんかって」

 FDJ2の追走トーナメントを見ていると、相当に走り込んでいるのではないかと思えるのだが、実際はそうではないという。

「そんな走ってないんです、じつは。(実車に乗るのは)月1回ぐらい。多いときでも2、3回ぐらいですかね。でもその分、1日8時間とか、シムはすごいやってますよ。子どもなんで仕事せんでいいですからね」

 それでもシミュレーターオンリーではなかったようで、「本人は、クルマ好きやからサーキットで、手や足がステアリングやペダルに届く前から軽トラとか乗りまわしたりしてて、それでキッズカートに乗せてたんですよ。そしたらキッズカードでドリフトしてたんすよ。そっからシムとかなんかもいろいろやってましたね」

  

 ドリフトの引き出しみたいなものは、シミュレーションのなかで増えていくもんなのか? という問いに対して、「そうですね。多分すごいことやってますよ。今回も龍輝に関しては、富士やと後追いで走ったらすごい煙が来るんで、それにあわせてヘルメット被ってもう見えにくくしてシムで走ってるんですよ(笑)」

 子どもは子どもなりにいろいろと工夫して実車でなくても本番に向けて練習を重ねてきて実戦に臨んでいる。そして、2世ドライバーでシミュレーター上がりのドライバー、13歳の中村龍輝選手は、FDJ2クラス準優勝で開幕戦を終えている。今シーズンの6戦でさらにどこまで成長していくのか、その活躍に期待したい。


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