WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

【試乗】新星セレナAUTECHの圧倒的な安心感! セレナNISMOとの違いもチェック

【試乗】新星セレナAUTECHの圧倒的な安心感! セレナNISMOとの違いもチェック

緩んでいたネジを締め直したかのようなカチッとした印象

 1986年、クルマの多様化や個性化に対応するために、日産グループ内の特装車と機能と人材を集結させた独立会社「オーテックジャパン」。設立当初はトラック架装のメインだったが、そのノウハウを活用し量産車では実現が難しいカスタムカーの開発を行なう。

 他メーカーのそれと異なるのは、「より多くの人に特別なスペックを」という想いから、ノーマル同様に日産のディーラーで普通に購入可能なのはもちろん、全ての保証内容がノーマルに準ずる点だ。オーテックジャパンが「ファクトリーカスタム」と呼ばれる理由はここにある。

 これまで多くの日産車にライダーやボレロ、モードプレミアと言ったサブブランドが展開されたが、2017年4月に発表された日産自動車の「NISMOロードカー」事業の拡大に合わせてブランドを再編。サブブランドを集約し「AUTECH」ブランドとして、モータースポーツ直系のNISMOに対し、カロッツェリアを彷彿とさせるプレミアムスポーティと言う立ち位置に。その第一弾となるモデルが、「セレナAUTECH」である。

 エクステリアは今後のオーテックの“顔”となるであろう“ドット柄”のフロントグリルを中心に、メタル調フィニッシュがプラスされた専用エアロパーツや専用アルミホイールなどにより、スポーティさと煌びやかでありながらも嫌味のない高級感をプラス。ボディカラーは豊富に用意されているが、個人的にはやはりコミュニケーションカラーの「シャイニングブルー」がもっともマッチしていると思う。

 一方、インテリアはブラックを基調としながらシート(クリスタルスエード)やステアリング(本革)、インストパッド(スエード調)などにブルーステッチのワンポイントをプラスしたシックなコーディネイトで、内外装のアクセントにレッドを配している“熱血”のNISMOとは明らかに異なる“クール”なAUTECHの世界感を演出している。

 走りの部分はノーマルに準じているが、オプションで「SPORTS SPEC」が用意されている。具体的にはフロント/センター/リヤにブレースやメンバーなどによる専用ボディ補強、専用サスペンションや専用パワーステアリング制御、205/50ZR17サイズの「ミシュラン PILOT SPORT 4」+専用アルミホイールをプラス。

 パワートレインはエンジン本体はノーマルだが、専用ECM/マフラーの組み合わせによりドライバビリティが改善されている。

 じつはこれらの変更点の多くはすでに発売されている「セレナNISMO」と同じだが、細部はAUTECH独自のセット。

 具体的にはタイヤ銘柄(NISMOはブリヂストン POTENZA Adrenalin RE003)、エアロパーツ、シート(NISMOはOPでレカロが選択可能、AUTECHはOPでセレナ唯一となる本革シートが選択可能)などが異なる。

 つまり、根幹部分は「いい物が開発できたので両ブランドで使いましょう」と言う考え方で、その先は各ブランドが目指す走りの方向性に合わせて“味付け”を実施……と言うわけだ。

 その走りは日常域の快適性は優れるものの、高速やワインディングではすべてにおいて頼りなさを感じてしまうノーマルに対して、まるで緩んでいたネジを増し締めしたかのようなカチッとしたボディと専用サスペンションとの相乗効果により操舵に対する応答性の良さや前後バランスが改善。

 コーナリング時のロールスピードもシッカリとコントロールされ、4つのタイヤをより上手く使えるようになっているので、コントロール性や安心感はノーマルと全然違う。また、直進性も引き上げられており、高速道路での走行は、まるで自動運転技術であるプロパイロットの制御が変わったかと思うくらいの差を感じた。

 快適性はノーマルよりも硬めではあるが、専用サスペンションとミシュラン PILOT SPORT 4のしなやかな動きと吸収性の高さにより無駄な動きが抑えられており、2列目以降の快適性もシッカリと確保。速度を上げていけばいくほどフラット感が増す。

 パワートレインはよく言えばスロットルに対する特性が穏やか、悪く言えば「本当に2リッターあるのか?」と思うくらい反応が悪いノーマルに対し、AUTECHは踏んだ分だけ反応するようになっている。

 しかし、スペック自体は同じなので全開加速は変わらず、アクセルを多く踏む状況では物足りなさとノイジーなのは気になる部分。セレナe-POWERで採用されている遮音アイテムが流用できると、AUTECHのキャラに見合う静粛性も実現できるのではないだろうか。

 走りの部分はNISMOも基本的な印象は同じだが、ピターっと路面に張り付いてレスポンスよく軽快に動くNISMOに対し、クルマを少し動かしながらもしなやかで重厚な動きのAUTECHと、味付けの部分は各々のブランドの目指す方向により違うのがわかる。

 これは各々がセレクトしたタイヤの銘柄の違いだけでなく、空力(=エアロパーツ)の差も大きいはずだ。

 語弊を恐れずに言えば、「これがノーマルであってほしい」と言うくらいの仕上がりだが、欲を言えばNISMOはもう少しダイレクト感と力強さ、AUTECHは上下方向の動きによりしなやかさと体をカッチリと支えるシート(マーチボレロA30用のレカロシートがベスト!?)があると、より各々のキャラクターが際立つと思う。

 このようにいくつか要望はあるものの、トータルで見るとセレナAUTECHは「ミニバンのGT」に仕上がっている一台だ。

【オーテック ジャパン】
コールセンター:0120-116-527
www.autech.co.jp

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了